PER(株価収益率)は株式時価総額を純利益で割ることで算定することは投資をしている多くの方はご存じかと思います。企業を買収したと仮定した場合、投資金額が利益の何年分で回収できるかを示す指標になります。株式時価総額100億円で純利益10億円の場合のPERは10倍です。これは、この企業を100億円で買収すると10年分の利益で投資資金が回収できるということです。
数値が低い場合にはバリュエーションが割安、高い場合にはバリュエーションが割高ということになります。純利益を使うと企業に特別利益・特別損失などの一時的要因が発生し純利益はぶれ、結果、PERの数値も変動します。そこで、私の場合、「経常利益×65%」を分母の利益として、投資先企業の過去10年分のPER、当期予想のPER、中期経営計画での数値のPERを算定して整理しています(過去10年分については、毎年の通期決算発表の翌日の株価で株式時価総額を算定)。
PERは投資先企業の過去のPERとの比較が基本になるかと思いますが、世間では、同業間での比較なども重要と言われています。投資銀行やアナリストの作成する資料を見ると必ず同業との比較バリュエーションが出てきます。M&Aなどで企業価値算定をする際にマルチプル法を用いる場合、同業数値がベースになるので仕方ないですが、個人的には株式投資において同業でのPER比較がどこまで意味があるのか疑問には思うとことです。
とは言え、業界によってもPERの数値は異なるので、1つの目安としては念頭においておく意味はあると思います。そこで、東証の上場企業の業種別のPER(9月)を紹介します。私の投資先銘柄や投資候補となる銘柄の業種に限定してのものになります。
- 東証1 全体 2172社 21.2倍
- 東証1 建設 101社 9.1倍
- 東証1 ガラス・土石 33社 13.2倍
- 東証1 機械 141社 23.4倍
- 東証1 サービス 228社 27.2倍
- マザース 全体 322社 144.2倍
- マザーズ 建設 6社 29.4倍
- ジャスダック 全体 695社 18.5倍
- ジャスダック サービス 102社 20.6倍
こうしてみると東証1部の建設が低いですね。昨日(土曜日)の日経新聞でも建設株の株価が低いという報道がありました。管政権がデジタル化への取組みに注力しており、国土強靭化への優先度が低くなっていることが理由ということが書かれていました。