1月22日に金融庁の「会計監査についての情報提供の充実に関する懇談会」が「会計監査に関する情報提供の充実について」を公表しました。
概要が1月23日の日本経済新聞で掲載されていましたが、これについて簡単に触れてみたいと思います。
大きなポイントとしては、無限定適正意見「以外」の場合を記載する監査報告書において、監査法人はその判断に至った理由を意見の根拠を十分かつ適切に記載することが求められるところ、監査報告書に記載することが適正でない場合、個別状況に応じ追加的な説明を行うべきとされました。追加的な内容の例として次があげられています。
・経営者や監査役等とのコミュニケーションの状況
・経営者や監査役等とのとの見解不一致の内容
・具体的な監査手続に関する説明
・職業的専門家としての判断に関する補足説明等
監査意見は、無限定適正、限定付適正、不適正、意見不表明の4つがあり、企業の決算書類が正しいと保証するのが、無限定適正です。
それ以外の場合には、公認会計士法第27条で「正当な理由がなく、秘密を他に漏らし、又は盗用してはならない」と定めていることを理由に監査法人は詳細開示をためらうケースが多いと言われています。
しかし、適正でないのにその理由が不明というのでは、投資家は納得できないところです。投資家保護の観点から、監査報告書に記載出来なくても追加的な説明を監査法人に求めるということになります。また、監査法人が、過度にリスク回避的にならないよう、公認会計士法第27条の「正当な理由」についての考え方を今後示すということのようです。