前回、ブログに掲載したコスモエネルギーと投資ファンドのシティインデックスイレブンスの件について続報を本日は簡単に紹介します。
いわゆるMOM決議によりコスモエネルギーの買収防衛策は株主総会で可決されたわけですが、6月23日にシティ側は「買収防衛策についての承認議案は実質的には否決であったと評価すべきことについて」というプレスリリースを公表しています。次のシティのホームページにプレスリリースが掲載されています。
プレスリリースの中に次の記述があります。「MOM 決議(弊社及びその共同保有者(以下「弊社ら」といいます。)の議決権行使を排除した決議)ではなく通常の普通決議であった場合、すなわち、弊社らが保有する議決権個数 176,805 個を反対に加え、コスモ社役員持株会等の議決権個数 35 個を賛成に加えた場合、賛成割合は 45.89%にとどまり過半数に達しておらず、否決ということになります。」と。詳細はプレスリリースの本文をご覧いただければと思います。
これってかなり重要ですね。シティ側の議決権をカウントしても、他の株主の大多数が買収防衛策に賛成であればシティ側は勝ち目はなかったということになりますが、そうではないということになると結構問題な気もいたします。特定の株主の議決権を制限したが故に総会議案が可決されたというようなことになります。このようなMOM決議は果たして許容されるべきものなのでしょうかね?
元々、MOM決議が許容されるのが明確な事案であれば、問題にはならないのですが、MOM決議が許容されるか否かグレーな事案ということになれば、賛成率の高さも考慮されて良いような気がいたします。もし、今後、シティ側が株主総会の決議無効の訴訟などを提起すれば、裁判所の見解が明確になるのだとは思いますが、今後どうなるでしょうか。引き続き注視していきたいと思います。