中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

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出席型のオンライン株主総会はまだまだ少ないですね ー 個人投資家としては今後の増加に期待

7月17日の日経新聞に「オンライン総会浸透」との見出しの記事がありました。オンライン総会とは、株主総会を同時配信するなどオンラインを併用した株主総会のことをいい、映像配信だけの「傍聴型」と質問や議決権行使が可能な「出席型」の2つがありますが、傍聴型は291社、出席型は14社であったということです。

定款に規定すれば、完全オンラインの株主総会も可能になりましたが、記事によれば、武田薬品工業など10社が定款変更議案を諮ったということです。アイアールジャパンが定款変更議案を出したところ、議決権行使助言会社であるISSが反対推奨をしたことは以前にブログでも記事に書きましたが(最後に再掲します)、意外にもISSは反対しているのです。バーチャルオンリーの株主総会は、株主が行う取締役の責任追及に影響を与える可能性があり、経営陣及び株主の間の有意義な交流を妨げる可能性があることなどを反対の理由としています。

個人的には、出席型のオンライン総会を増やして欲しいところです。そうすれば、保有先銘柄の株主総会に気軽に出席でき、それ以上の議長である社長に何の遠慮・躊躇もなく、本質的な質問をいくつも出来るからです。一方、企業サイドの対応はこれまでの倍以上大変になるでしょう。