中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

インフラ修繕8割未着手 – 関連有望銘柄の紹介

7月29日の日経新聞に「インフラ修繕 8割未着手」との見出しの記事が掲載されていました。国土交通省の2019年3月末時点の調査ということで、トンネルや橋の老朽化について、次の内容が書かれていました。以下は記事からの抜粋になります。

  • 全国に1万ヵ所あるトンネルの4割、72万ヵ所ある橋の1割が早急な修繕必要
  • このうち、地方自治体が所管し修繕が必要なトンネルは約3千ヵ所、橋は約6万ヵ所あるが、修繕に着手しているのは橋で20%、トンネルで24%に過ぎない
  • 劣化しきってからの修繕は損傷が少ない時に手当するのと比べてコストが余計にかかる。予防保全(致命的に劣化する前に修繕する)のほうが、維持管理や更新費が3割少なくて済む

新聞の記事から情報を拾いますと以上のとおりです。4月20日の日経新聞(私の場合、株式投資に関連のある記事や情報はすべてコクヨのソフトリングノート(お薦めです)に貼り付けたり、書き込んだりしています)にも同じような記事が掲載されていました。

今回の記事によれば、今後の被害を最小限に抑えるには、修繕コストを抑える予防的な保全の推進が重要であり、また、新しい技術を利用した効率的な修繕に着手することが求められると書かれています。つまり、壊れてからの修繕だと金がかかるので、壊れる前に損傷の有無を確認して、大修繕に至る前にコストをかけずに修繕をしていくということが重要になります。

では、これに関連する銘柄は何であるかですが、ゼネコンはじめ色々と関連銘柄はあると思いますが、私が以前から注目している銘柄は、エムビーエス(1401)です。山口県に本社のある時価総額100億円以下の東証マザーズの小型銘柄です。

この会社は、スケルトン工法という手法で橋を補強する外装リフォームの会社で、この工法は透明な加工であるため外観から橋の損傷の確認ができるなどの特殊な工法とされています。たしか、法律により5年に1度は橋の定期診断が必要のはずですが、この工法を使うと外観から容易に判断できるのでコストを低く抑えることができます。

同社の過去12年分の財務データを分析して纏めたところ、毎年増収が続いており、総資産に占めるネットキャッシュ比率も30%を超えるなど財務面で安定しています。ただ、上場が2005年ですが、まだ配当がないというのがマイナス材料ですが、インフラ関連、国土強靭化の関連で今後の成長を期待して「買い」銘柄と言えるように思います。 

さて、話は変わりますが、人に勧められて、先々週から日曜の夜にテレビ放送されている「日曜劇場 半沢直樹」を見はじめました。数年前も放送されていたのは知っていましたが、当時は1度もドラマを見たことがなく、銀行を舞台にしたドラマであるという認識しかなく、出演者も主役の俳優を除いて誰が出ているかも全く知りませんでした。

ここ数年ドラマを真面目に見たことはなく、「今更ドラマか」と馬鹿にしながら今回はじめて見たのですが、敵対的買収、買収防衛などが内容でなかなか面白かったです。ただ、こういう業務に精通していない方には、正直、細かいところの理解は困難と思います。株式公開買付、新株予約権の発行の意味するところが分かるのは、投資銀行M&Aを担当している方、上場企業でたまたまこういう業務経験のある極めて少数の方に限定されるかと思います。

そこで、「ドラマ半沢直樹の内容について専門的観点から分かりやすく解説します」といったテーマで敵対的買収など、ドラマの内容についてブログで都度解説していこうかなと考えています。

ドラマなので、現実の実務と異なる点は多々あるかと思います。ドラマではメガバンクの部長クラスに過ぎない人物が、大手企業の専務クラス以上が持つような大きい個室を与えられているなど、現実には100%あり得ないどう見ても笑えてしまう描写も多いのですが、こういう些末な点は置いておき、ドラマの中での買収に関する専門的な点に焦点をあて、ブログで書いていきたいと思います。