コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

上場子会社の社外取締役比率

7月26日の日経新聞に上場子会社の社外取締役比率について、3分の1以上の企業が5割止まりという見出しの記事が掲載されていました。野村資本市場研究所が2020年3月末時点の上場子会社249社を調べた結果ということです。

先日、上場会社全体での社外取締役比率について、あるオンラインセミナー資料を見たのですが、細かい数値を忘れましたが、社外取締役比率が3分の1以上の企業がかなり増えてきたということです。機関投資家のような資本市場関係者は3分の1以上を求める声が強く、スタンダードになっていくはずです。上場子会社については、子会社ということもあり、少数株主の利益保護の関連から社外取締役のより高い比率が求められるはずですが、5割どまりというのは少ないかと思います。

ちなみに、私が親会社によるTOBでの上場廃止も期待して保有する銘柄に、東京個別指導学院(4745: ベネッセの子会社)、パスコ(9232:セコムの子会社)、ジオスター(5282:日本製鉄の子会社)があります。各社の直近の社外取締役比率を見ると次のとおりです。

ジオスターは、株価が低迷している中低位株(株式時価総額90億円)ですが、役員構成を有価証券報告書(2020年3月期)で見ると日本製鉄出身の取締役が5名おり、1名はジオスターの社長になっています。取締役の過半数が親会社出身という驚異的な数値です。この会社の設立日は1970年3月なので、この会社に新卒入社したプロパー社員もたくさんいるかと思いますが、取締役は親会社出身者が大勢いるという状況です。コーポレートガバナンスの動きに逆行しているように思えます。

もともとジオスターは、リニア新幹線関連での成長期待と、日本製鉄によるTOB(ジオスターの上場廃止)のプレミアムを期待して購入したのですが(リニアは期待できなくなってしまいましたが)、あらためてガバナンスを見ると、「この銘柄はそもそも上場の意義は?」と疑問を持たれる状況とも言えます。資金調達も、資本市場から調達する必要などはなく、親会社である巨大企業の日本製鉄からいくらでも借りられるでしょうし、株主から上場の意義を問われた場合、どのように答えているのか関心のあるところです。ジオスターに限らず、中低位株の子会社が上場している理由は、サラリーマンであれば誰でも想像できるところですが、この理由は機関投資家を納得させることは出来ません。

ところで、株式投資の話に移りますが、パスコは国土強靭・防災関連での成長を期待して、1年前に株価830円で購入しましたが、その後、株価が上がり本年1月20日時点で約2,100円まで上がり、その後コロナの関係で下がり、今は1,500円前後になっています。セコムによるTOBによる上場廃止を期待して、保有継続です。コロナの影響で国土強靭の動きはあまり進んでないと思いますが、骨太方針でも国土強靭は掲げられており、「政策に売りなし」の格言もあり、個人的には国土強靭関連銘柄は中長期で見ると期待できると考えます。