中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

エムビーエス(1401)がQ1決算(6-8月期)を公表

10月14日にエムビーエス(1401)がQ1決算を公表しました。同社はケルトン工法という道路・橋・トンネルといった公共建造物のコンクリートの剥離防止する工法を有しており、2015年に東証マザースに上場した株式時価総額55億円程度の小型株です。

前年同期比で売上高は△23.8%、9百万円の営業赤字になっています。決算短信からの記述を抜粋すると次のとおりです。

「当第1四半期累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、経済・社会活動が制限され、個人消費の低迷や経済活動の停滞等、厳しい状況が続き先行き不透明な状況となっております。当社が属する建設業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の抑制から、工事の一時中止や工事の延期、受注の遅れ等が見受けられましたが、公共投資並びに民間投資は底堅く推移いたしました。しかしながら、施工を行う技術者不足が解消されていないことに加え、資材価格や労務費等の建設コストの高騰が工事収益を圧迫する等、引き続き厳しい状況が続いております。このような状況の中、当社は、既存店におけるパートナー(工務店等)との関係強化に取り組み、受注拡大を図って参りました。また、原価低減と経費削減、工事採算性を重視した受注方針の徹底、施工管理と品質・技術の向上に努めるとともに、人材採用及び育成にも積極的に取り組み、業容拡大や収益力の向上等も図って参りました。これらにより、当第1四半期累計期間における売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により522,731千円(前年同期比23.8%減)となり~」

小型銘柄ですので昨日は株価は大きく下げています。業績不振は、工事の一時中止や工事の延期、受注の遅れによる影響が大きいようです。国土強靭化の中で同社の技術力には定評があるようですので、中長期で見ると、成長が期待されるように思います。

同社は、通期決算で見ると売上高は過去10年間増収を続けており、営業利益は2013年度から2018年度までは毎年増加しています。財務基盤は安定しており、ネットキャッシュであり、総資産に占めるネットキャッシュ比率は30%を超えています。2020年度の通期見通しは未定です。