中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

金融審議会「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」 ー 第2回が開催されました

本日は夏休み初日です。投資先銘柄の周辺情報整理とメモ作成の後、近くのプールで1時間泳ぎました。私の場合、重点的に投資している厳選銘柄は数銘柄あり、四半期決算のタイミングで周辺情報の整理とIR部門への質問をしているのですが、1Q決算のタイミングは自分の勤務先の決算業務で多忙で時間がとれなかったので、この夏休みに作業をしています。

さて、前回の第1回会議から少し日がたちましたが、第2回会議が7月31日に開催されました。事務局資料は次のとおりです。

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tob_wg/shiryou/20230731/01.pdf

今回は公開買付規制(TOBルール)の見直しの可能性が論点として議論されたようです。次の点などが討議事項とされています。

  • 市場内取引により議決権の3分の1超を取得する取引を強制公開買付規制の適用対象とすることについて、どう考えるか
  •  第三者割当により議決権の3分の1超を取得する取引を強制公開買付規制の適用対象とすることについて、どう考えるか
  • 公開買付けの強圧性の問題に対応するための措置を講じること及びその具体的な措置の内容について、どう考えるか
  • 3分の1ルールの閾値を引き下げること及びその具体的な閾値について、どう考えるか

特に市場内取引などが企業の実務者は関心が高いのではないでしょうか?というのも、MOM要件での買収防衛策の総会決議が裁判で争われたのも、投資ファンドによる市場内取引での短期間での買い増しのケースでした。

私は過去10年以上、買収防衛策の継続更新の実務を証券会社と事業会社で担当したきたので、TOBルールの動向はだいぶ前から注視してきました。TOBルールが不十分であるが故に事前警告型の買収防衛策を導入し、有事の際に株主に十分な情報と判断のための時間を提供するという流れです。機関投資家と対話をするとTOBルールを理解していない投資家もかなり多く(表面的なことは投資家も理解してはいるのですが・・)、説明に苦労することもありました。

今回の第2回会議の議事録の公表はもう少し先になりますので、公表され次第、読んでみたいと思います。