先日の日曜日に第3話が放送され録画しましたが、昨日の夜にようやく第2話を録画で早送りで見ました。
第1話でスパイラルはホワイトナイトを探すということでしたが、第2話では、太陽証券がフォックスという企業をホワイトナイトとして見つけてきました(第3話ではもっと話が進んでいる気もします・・)。
スパイラルはフォックスを引受先とする新株発行(第三者割当増資)をして、電脳雑技集団の保有議決権比率を下げる予定だったようですね。前回、ブログで書いたように、特定株主の株式所有比率を下げる目的での新株発行は、訴訟になった場合、裁判所により差し止められるリスクがあるのですが(ライブドア・ニッポン放送事件)、なんとフォックスと電脳はグルということで、そのリスクはないということになります。
今回のスキームでは、特にこれといった注目すべき点はないのですが、1点気になったのは、半沢直樹が、グルになっていた太陽証券の営業マンに「これは犯罪だ。警察に突き出す」というようなセリフがありましたが、「これは何?」と思いました。
太陽証券がスパイラルの財務アドバイザーになった場合、アドバイザー契約に従い、秘密保持義務を負いますし、顧客であるスパイラルの利益に反する行為はアドバイザー契約違反になりますが、これはあくまで契約違反(=損害賠償に発展)のレベルの話に過ぎません。どうしてこれが犯罪行為に当たり、しかも警察に突き出すことが出来るのか荒唐無稽な話です。このあたりテキトーですね。
ところで、電脳は、時間外取引でスパイラルの発行済株式の30%取得後、TOBを進め、さらに10%の株式を取得しているようです。市場外で5%超の株式を10名以上の株主から買い集めるためのTOBかと思いますが、あと10%超の株式取得でスパイラルを支配することができます。ところで、一般的に敵対的買収で50%超の株式を取得した後、買収者はどうするのでしょうか?
対象会社の定時株主総会が近いのであれば、買収者は株主提案をして、自社サイドの人間を取締役の過半数送り込み、株主総会で可決をして(50%超株式を保有するので可決)、取締役会を支配します。もし、定時株主総会がまだだいぶ先であれば、少数株主権として臨時株主総会を招集し、同様に株主提案をすることになります。
ところで、話は変わりますが、敵対的買収と言えば、コロワイドに買収をしかけられた大戸屋ホールディングの件はどうなっているのでしょうか。
大戸屋は訴訟に持ち込まれることを前提に、取締役会決議で有事導入型の買収防衛策を導入・行使するしか助かる道はないような気がします。外食産業はコロナの影響でボロボロで先行き不透明ですので、コロワイドを「友好的TOB」で助ける同業のホワイトナイトを見つけるのは困難と思いますし、また、異業種で見つけるのも難しいような気はします。ホワイトナイトが上場企業であれば、自社の株主に合理的な説明がつかないと、大戸屋を助けることが自社の株価低迷につながります。この状況下で、株価低迷のリスクは厳しいかと思います。
さて、半沢直樹ですが、既に放映された第3話について、今週どこかで見てまた解説をしたいと思います。