コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

ESGアクティビズムとミレ二アル世代

7月23日号の日経ビジネスに「ESGアクティビズムに屈する企業」との記事がありました。

内容は、米スターバックスや米マクドナルドなどでプラスチック製ストローの使用をやめる動きが加速しており、この背景には規制強化の動きだけでなく、「ESGアクティビズム」が企業の背中を後押ししていることが背景にあるということです。

スターバックスにおいては、本年7月9日に米ESG投資推進NGOのAs You Sowがプラスチックストロー禁止の株主提案を行い、機関投資家などの多くの株主が支持をした
ようです。提案自体は否決されたが、30%弱の高い支持を得た模様です。

アクティビストは、事業カーブアウトを提案して業績改善を提案する、キャッシュリッチ企業に対して配当増や自己株式の取得を提案して、株主還元を求めるという提案がほとんどです。

しかし、ESG投資の拡大の動きを背景に、必ずしも株主還元には直結しない環境・社会・コーポレートガバナンスの改革を上場企業に促すESGアクティビズムの活動が米国では増えているようです。

投資ファンドのジャナパートナーズがカリフォルニア州教職員退職年金基金(カルスターズ)と一緒に、米アップル社に対して、子供がスマホに夢中になり勉強に集中できないので、アクセス制限等の対策を講じることを提案したということが少し前の日経新聞にありました。

このESGの動きにはミレニアル世代の関心が高いともいわれています。ミレニアル世代とは、1980年代以降に生まれた世代をいいますが、エシカル消費に関心が高いといわれています。

エシカル消費とは、社会問題の解決に取り組む企業の製品を優先的に購入・消費する考えをいいます。勿論、ミレ二アル世代が全員そうというわけでは当然ないですが、そういう傾向が他の世代と比べて強いということです。

企業にはESG関連の情報の開示が求められておりますが、ESGをないがしろにするとこういった世代からの評価を得ることができず、それだけにとどまらず、ESGアクティビズムにより、企業が予想しない方向に流されていくリスクもあると思います。

ESGの中のE(環境)に関していえば、化学品メーカーなど環境への影響が大きい企業はビジネスの環境への負荷の現状の開示やそれに対する対策を開示すること、また、S(社会)に関していえば、グローバルで発展途上国で安い労働賃金を使いビジネスを行ってる企業は、児童労働規制に違反していないことなどを積極的に開示することが益々大切になってきます。