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経営企画担当の実務上の視点

東証1部上場企業で経営企画担当のマネージャー職にあるものです。経営・事業企画担当の立場から M&A、事業戦略、IR、戦略法務についてアカデミック+実務の視点からの気付いた点や考えることについて情報発信していきます。

#3 M&Aにおける対象会社の企業価値評価(実務現場の視点から)③

企業価値評価

DCF法について前回に引き続き話しをさせて頂きます。

M&Aの際には、買手が自ら、またはフィナンシャル・アドバイザーを起用して売主(=株式譲渡の場合には、対象会社のオーナー(株主))に興味のほどを伝えます。そして、売主との間で合意した場合には、秘密保持契約を締結して、事業計画はじめ詳細な財務情報を入手して価値算定を行うことが出来ます。

しかし、これより前段階では、特に対象会社が未上場企業である場合には、何らかの形で過去の損益状況を外部の調査機関(帝国データバンク東京商工リサーチなどが大手調査機関としてあります)のデータをとって手に入れたとしても事業計画等の数値はないのが通常です。このような状況下で、一般の事業会社の担当の方が、ざっくりとしたレベルでDCF法による企業価値算定をするにはどうすれば良いでしょうか?
特にマネジメント層から「ざっくりでDCF法で算定した場合、価値はいくらになるのか」のような質問がされたような場合はどうすればよいでしょうか?少なくとも過去損益の実績値が手許にあるのであれば、「わかりません」とは回答できないと思います。

仮に自分が経営コンサルタントであったような場合、顧客から何らかの質問が出た場合に「知りません」の回答は許されず、一定の仮定をおくとしても何らかの回答を出す必要があるのと同様に、マネジメント層からの質問に対する回答姿勢もこれと同じと思います。

結論からいいますと情報がない中で一定の仮定をおいて、算定せざるを得ません。逆にいいますと、対象会社の事業が特殊要因で大きな業績のブレがないようであれば、常識的に一定の仮定を置くことである程度のざっくりとした算定は出来ると思います。

そこで、対象会社の十分な情報がない、つまり対象会社の具体的な事業計画が手許にないM&Aの初期段階で、DCF法でざっくりレベルで企業価値算定をしてマネジメント層に説明する際の算定方法を次回にお伝えしたいと思います。