コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

経産省がコーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針の改訂案を公表

9月5日に経済産業省のCGS研究会第9回が開催されました。

当初予定どおり改訂コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン案)が議論されたようで、経済産業省のホームページに改訂案が一式アップロードされました。

時間をあまりかけずにざっと眺めましたところ、今回の改訂CGSガイドライン案のポイントは、次のような事項になります(以下の文中の「追加」は現在のCGSガイドラインへの追加という意味を示します)。

<取締役会議長について>
取締役会議長の役割等を踏まえて、取締役会の監督機能を重視する企業において社外取締役などの非業務執行取締役が取締役会議長を務めることの意義や、そのための環境整備等について追加

<委員会の実効性評価>
取締役会と委員会とが一体として実効的に機能しているかについても、取締役会の実効性評価の一環として評価を行うことが有益である旨を追加

社外取締役の人材市場の拡充>
経営経験者、現経営陣が他社の社外取締役を引き受けることの意義について追加

<指名委員会と報酬委員会の連携>
社長・CEOの選解任の実効性向上や効率的な委員会運営の観点から、指名委員会と報酬委員会との連携を図ることが有効である旨を追記

社外取締役候補者の適格性>
社外取締役が実質的な役割・機能を果たす上でのアベイラビリティやコミットメントの重要性と、本業や兼職状況の確認等について追記

社外取締役の再任上限>
再任上限を設定することの意義について追記

社外取締役の再任基準>
社外取締役の質の担保と、社外取締役の独立性・監督の実効性の確保の観点から、社外取締役の再任基準の設定を検討すべき旨を追記

<委員会の構成・運営の在り方>
委員会でCEOの再任・解任を判断する場合には、CEOが議論に関与するのは望ましくない。必要に応じて、CEOのいない場で議論できる工夫が必要

改訂コーポレートガナンス・コードで規定された事項のいくつかの事項について、実務面でのより具体的な対応を規定した内容になっております。

ガイドラインのため強制力はないのですが、「グローバル展開の進んでいる企業は、改訂ガイドラインでの提言の積極的な実施検討を期待する」ということが付記されております。

改訂CGSガイドラインの議論された第9回会議は、これまでと同様に非開示のため、議事録は公表されず、討議の詳細は不明ですが、本年9月中に改訂ガイドラインは制定されるかと思いますので、制定されましたら、上記項目の中のポイントについてブログで紹介したいと思います。