中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

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議決権行使助言会社とは? ー 個人投資家のための株主総会の基礎知識

昨日金曜日は朝から長野県に出張でしたが、昼前から雨風がひどかったのですが、帰りの上越新新幹線は動いており、夜に東京駅に戻れました。東海道新幹線はとまっていたようで、少し焦りましたが、無事帰宅でき昨夜はほっとしました。

最近、株主総会の時期が近いこともあり、議決権行使助言会社のISS社やグラスルイス社の話題を新聞で頻繁に目にすることが多いと思います。「ISS社が株主提案に賛成推奨した」といったような記事です。本日は議決権行使助言会社について少し解説したいと思います。

議決権行使助言会社とは株主総会(定時・臨時いずれも) の際に機関投資家が議決権を行使することを検討するに際して、議案への賛否を推奨する議決権行使の助言会社です。大手ではISS社やグラスルイス社があります(というか、これ以外の会社名を私は聞いたことはありませんが)。あくまで賛否の推奨を行う会社であり、企業の株式を保有し、自らが議決権行使をするわけではありません。

ある上場企業の取締役選任議案として鈴木一郎氏(仮名)という方が候補者になっているときに、その企業の株式を保有する機関投資家が鈴木一郎氏に賛成又は反対のいずれを投じるかを判断する際に、助言会社の賛否推奨fレポートを購入してその判断を見て、自社の賛否方針を決定するのです。

機関投資家には、海外投資家と国内投資家がありますが、海外の機関投資家で助言会社の基準をそのまま遵守するケースが多いと思います。海外機関投資家は、外国人であることもあり、日本企業の細かいところまで十分に理解する時間はなく、また日本企業の英文開示が十分でないこともあり、てっとり早く助言会社のレポートを使用するということです。外国人株主比率の高い上場企業は、ISS社の賛否推奨レポートに敏感になっています。ISS社が会社提案議案に反対推奨をすると外国人の反対比率が高まるからです。

一方、国内機関投資家は、日本企業のことを熟知しているので、各社独自の議決権行使基準を有しており、それに基づき議案への賛否を判断しており、議決権行使助言会社のレポートを使用していないといってよいかと思います。では、個人投資家の方は議決権行使を真剣に考える際には、どうすればよいでしょうか?

ISS社の賛否結果を見て判断するのもありかと思います。といいたいのですが、個人の方でISS社の賛否推奨レポートを購入するのはお金もかかるので割にあいません。ので、投資先企業に電話をして、「総会議案について助言会社の賛否推奨結果を教えて下さい」と質問をするとよいと思います。企業としては拒絶する権利もないと思いますので、多分教えてくれると思います。私が個人株主から自社の賛否推奨レポートについての電話問い合わせがあった場合には、回答します。

あとは、やはり自分でコーポレートガバナンス・コードをしっかりと勉強して、自分の判断力を高めるということでしょうか。