中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

TOBルールの改正 ー 市場内取引もTOBの対象にする検討の開始

本日は、「公正な買収の在り方に関する研究会」のパブコメに意見を提供する目的で、第3回と第4回の同研究会の事務局資料と議事要旨を読み込みました。とは言え、オフィスにいると色々と雑務が入り中断されるので、再度、明日精読をする予定です。けど、この手の研究会や審議会での委員の意見は本当に勉強になります。議事録や議事要旨をじっくり読むことをお薦めします。

さて、日経新聞金融審議会がTOBルールの見直しを検討するという記事が掲載されていました、。金融審議会が本日開催されたようですね。資料は次のとおりです。

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/soukai/siryou/20230302/1.pdf

公開買付制度では「①公開買付規制の適用範囲(市場内取引の取扱い、閾値等)の見直し ②公開買付けの強圧性を解消・低減させるための方策 ③公開買付規制の柔軟化」が課題とされています。

大量保有報告制度では、「①特例報告制度の適用要件の明確化 ②共同保有者の範囲の明確化 ③現金決済型エクイティ・デリバティブ取引の取扱いの明確化 」が課題とされています。公正な買収の在り方に関する研究会でも5%ルールの課題が議論されているので、足並みが揃っているようですね。

事前警告型の買収防衛策の導入理由として、市場内の買い集めはTOBの対象外であるため株主に十分な情報と時間を提供することをあげている企業は多いと思いますが、この理由が今後は使えなくということですね。事前警告型の買収防衛策を導入する企業も更に減ると思います。この金融審議会の動きも今後、注視したいと思います。議事録は公表されるのでしょうかね。