中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

ROEが向上すると株価が上昇することの考え方

昨日から「LIFE SHIFT2-100年時代の行動戦略」を読みはじめました。この本は2年ほど前に職場を退職した同僚の女性の方に当時勧められた本ですが、先日、たまたまアマゾンで目にしたので購入してみました。ご存じの方も多いと思います。まだ前半の途中ですが、気付かされることが多く面白い本です。今週前半頃を目安に読破を予定しています。

昨日の記事でROEが向上すると株価も上がるということについて触れましたが、本日は簡単にその理由について補足したいと思います。ROE=純利益÷株主資本ですが、ROEを向上させるには、シンプルに分子の純利益を増やすか、分母の株主資本を減らすかのいずれかになります。

まず、純利益を増やす場合を考えます。この場合、EPS(1株当たり純利益)が増えることになります。そしてPER=株価÷EPSですので、PERが一定とすると、EPSが増えた分、株価が上昇することになります。

次に分母の株主資本が自社株買いで減少した場合を考えます(自社株が増えると株主資本にはマイナスになります)。自社株買いにより、市場で流通する株式数が減るわけですから、やはりEPSは増えます。となると先ほどと同様にPERが一定とすると株価は上昇することになります。

恐らくこんな考え方なのだと思います。ただ、これはPERが一定とした場合の理論的考え方であって、株価はこれ以外の様々な要因で決まるものなので、必ずしもそう単純に説明がつく話ではないのかも知れませんが、中長期的な観点からのROEと株価の見方ということになります。