中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

【株式投資】ASEAN主要国での自動車販売台数 ー 電動車の見通し

最近、コーポレートガバナンス関連の記事が続きました。以前は株式投資関連の記事も良く掲載していたのですが、ここ最近は遠ざかっており(自身の株式投資ノートには、ファンダメンタル投資情報を結構細かくメモする習慣は変わりませんが)、久しぶりにファンダメンタル投資情報を書きたいと思います。

欧米が完全に電動車に舵を切っており、今後、10年、15年後にはグローバルに占める電動車の比率はかなり高まることが予想されています。先日、仕事で自動車メーカーの決算分析でトヨタ、日産、ホンダの自動車生産台数を調べる中で、アセアンの自動車販売台数や電動化の予想が気になりましたので(勿論、自分の株式投資の観点からです)、ネットで調べてみました。

まず、アセアン主要国における自動車販売台数ですが、2021年度は約278万台で、トップ3は、インドネシアが89万台、タイが75万台、マレーシアが51万台となっています。次のジェトロのビジネス短信に記載があります。

https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=33888189

インドネシアとタイが2強ですね。

では、この2国における電動化の見通しについてですが、これもジェトロの公表資料等の情報になりますが、インドネシアでは工業省が2019年に自動車産業ロードマップを公表しており、2035年に自動車生産台数400万台を目標とし、うち30%を低炭素排出車(BEV、HBV、PHB等含む)とする予定のようです。

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2022/0302/9ad103e301baf59d.html

では、次にタイはどうかといいますと、2021年に政府が計画枠組みの議論を開始したようですね。また、ある媒体の情報によりますと、タイ電気自動車政策委員会は2030年の自動車生産台数は250万台で、このうち、EV化は30%の約75万台。この75万台の内訳は、BEVが50%で、PHEV+HEVが50%といった予想を立てているようです。タイ政府やタイ電気自動車政策委員会の公表する生データで確認をしたわけではないので、どこまで正確であるかの保証はできませんが。

いずれにせよ足元のEVの普及率は非常に低く、EV車の価格や充電設備のインフラ整備を考えると、EV化の急拡大は時間がかかるという意見もあるようです。これは、日本総研の方のレポートです。

以上になります。EV化はまだ先の話であり法規制や世の中の動きで急加速する可能性もあるので、実際のところは、今後の動きを注視して変化の有無を注視する必要があるかとは思いますが、現時点での今後の見通しの1つとして私は参考にしています。

2週間に1回は、投資先企業に対するメモノートと周辺情報の整理をしているのですが、整理の都度、新しい情報の発見があるものだなと思います。

当然ですが、これら情報はいずれもネットでの公表情報であり、情報は使ってはじめて価値が増すものです。私の投資先企業である某自動車部品関連企業が今後は東南アジア市場での展開に力を入れるという説明が前にありましたので、上記の情報をもとにIR部門に今後の戦略や見通しについて質問をする予定です。その上で回答に納得がいけば、株価の下がった局面で買い増しです。