コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

ジャフコグループが有事型の買収防衛策を導入

本日から今週1週間は夏休み休暇です。明日から外出・旅行等の予定ですが、世の中は動いていますので、①新聞 ②株価 ③ツイッターの3点セットは毎日確認する予定です。ツイッターは気にいった情報があればブックマークを付けて保管し、後で読むことが出来、かなり重宝しています。ブログも都度ツイッターに掲載しており、有難いことにツイッターで記事を読んで頂けるフォロワーの方も徐々に増えており、近い将来における副業の準備を少しずつですが、試行錯誤をしながら歩みを進めているところです。人との繋がりを今後は大きく増やしていくことが大きな課題の1つといったところです。

さて、前置きが長くなりましたが、旧村上ファンド系の投資ファンドのシティインデックスイレブンスらが専業ベンチャーキャピタルで最大手のジャフコグループの株式を10%以上保有していますが、本日、ジャフコは有事型の買収防衛策を導入することを次のとおり公表しました。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/8595/tdnet/2174167/00.pdf

プレスリリースでは「本対応方針は、既に具体化している本株式買集めを含む大規模買付行為が行われる具体的な懸念への対応を主たる目的として導入されるものであり、平時に導入されるいわゆる事前警告型買収防衛策とは異なるものとなります。」との記載があります。また、プレスリリースの3ページに次の記載があります。

 本対応方針の導入それ自体は、株主総会決議等株主の皆様の明示的なご判断に基づくものでないことに鑑み、本対応方針に基づく対抗措置(具体的には新株予約権の無償割当て)は、(a)株主総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)による承認が得られた場合であって、かつ、大規模買付者が大規模買付行為等を撤回しない場合、又は、(b)大規模買付者が下記 III2(3)に記載した手続を遵守せず、下記 III2(3)④に記載する株主意思確認総会を開催する以前において大規模買付行為等を実行しようとする場合にのみ、独立委員会による勧告を最大限尊重して発動されます。また、本対応方針の導入につきましては、上記取締役会において、監査等委員である独立社外取締役 4 名を含む当社取締役全員の賛成によって決議されております

これを読んで気になったのは、有事導入型の場合には、後日、株主総会を開催して株主の賛同を得ることを導入の条件にする、逆に言うと株主総会過半数の賛同が得られない場合には取締役会決議は遡及的に効力を失わせるというスキームが最近の東京機械製作所、富士興産等の判例から1つのプラクティスになっているはずですが(私の記憶の限り・・)、このジャフコのケースではプレスリリースをざっと読んだ限りでは、導入において株主総会の開催は予定されていないようにも思われます。

つまり、上記のプレスの「(b)大規模買付者が下記 III2(3)に記載した手続を遵守せず、下記 III2(3)④に記載する株主意思確認総会を開催する以前において大規模買付行為等を実行しようとする場合にのみ、独立委員会による勧告を最大限尊重して発動」の箇所ですが、この場合には、買収防衛策について一切、株主の意思を問うことなく導入・発動となるように読めます。記憶が少し曖昧なのですが、1年以上前のシティ社と日本アジアグループとの攻防では、日本アジアが株主総会を開催しないまま取締役会決議で導入・発動したため裁判で負けたと記憶していますが、今回のスキームはどのように考えればよいのでしょうか? 

この手の案件は、中小の法律事務所がアドバイザーになることは考えられず、恐らく大手の法律事務所がアドバイザーになった上でのスキームと想像しますので、この1~2年の判例を十分に踏まえた上での今回のスキームとは思います。

今後、仕事で機関投資家と対話をする中で、買収防衛策の会話も出るはずですので、今週後半から旬刊商事法務の買収防衛策関連の記事を読み込む予定ですが、商事法務の記事を整理しつつ、過去の買収防衛策の事例と今回の事例の分析などもして行きたいと思います。