北越メタルに対してトピー工業が株主提案をしていることを以前にブログで書きましたが(前回のブログは最後に掲載)、北越メタルの株主総会が開催され、結果、なんとトピー工業の株主提案が可決されたようです。
取締役に大洞勝義、竹内征規、天川一彦という方々が選任された模様です。北越メタルは株主提案について、従業有志が反対する旨の声明まで次のとおりプレスしていたのですが、残念な結果に終わったようですね。
プレスには、「当社従業員有志一同は、当社従業員を中心に据えた経営を目指す現経営体制を強く支持するとのことです。また、従業員の活躍の場を奪いかねないトピー工業の株主提案は、当社従業員のモチベーションを大きく低下させるおそれがあるものであり、到底賛成することができないとのことです。そのため、当社従業員有志一同は、トピー工業の株主提案及び当社提案に反対するとの議決権行使に対しては、断固反対の意見であるとのことです」というように、従業員が自発的に反対しているような内容にはなっています。そもそもこの従業員有志が従業員全体の何パーセントを占めるのか全く不明なのですが。
北越メタルの3月末時点の株主構成は見ていませんが、トピー工業の株主提案の方が合理性がある、つまりこの選任された3名の方が企業価値を向上させるに適切な能力があると判断されたということになります。北越の安定株主である政策保有株主あたりは賛否のいずれを投じたのでしょうか。気になるところです。
いずれにせよ、株主提案が可決されるということは企業統治の上で結構インパクトのある出来事かと思います。これを契機にこういう株主提案も益々増えるであろうと思います。企業の方は、特に株主が低迷してPBRが1倍を切っている会社などは、万一、株主提案を受けた場合、経営トップの選任が否決されるリスクが大ということを念頭において株価向上に努める必要があるのだろう思います。