本日は簡単に新聞記事を1つ紹介いたします。6月10日の日経新聞電子版に次の記事が掲載されていました。
適時開示、日本企業見劣り 規則の細かさが足かせに: 日本経済新聞
要するに日本企業は、開示にあたっては、開示事項が東証の開示項目に該当するかどうかで細かく判断し、開示がマストでない場合には開示しないケースが多い。一方、欧米企業の場合、開示は企業の自主性に委ねられており、リスクを先に出す文化のため積極的に開示する傾向にあるというような内容です。
日本企業の開示が悪いというわけでもないとは思いますし、何でも開示するとかえって投資家の不安を煽るという考えもあるかと思います。しかし、一方、投資家が不安に思うところは東証開示の該否に関わらず、積極的に開示すべきと思います。理由は投資家は外部者ですので、会社の内情が分からないのです。これって結構大事です。
投資家と会話をすると、会社の内部にいると当たり前に考えていることでも投資家には情報がないのです。例えば、ウクライナ侵攻についても会社の方は、「当社はロシアでの商売はないから問題はない」と考えていても、投資家は「地域別売上高を見ると欧州でも売上高があるようだが、影響はないのだろうか」と不安になるわけです。不安になると当然ながら投資も見送るということになると思います。
そこで、会社としては説教的に開示することが重要になるわけです。東証の開示基準に該当するか否かではなく、投資家が心配する事項がどうかという観点から開示の有無を柔軟に判断することが必要であり、そのように開示に積極的な企業が市場でも評価されるのだと思います。