中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

【今年の株主総会のポイント】機関投資家の議決権行使基準をしっかりと読みましょう

本日の日経平均株価は764円安と大きく下げました。私の保有銘柄も大きく下げましたが、ウクライナ情勢のニュースをブルームバーグツイッター等のニュースで見ると先行きは未だ不透明で、明日以降も更に日経平均株価が大きく下げるのではと思い、本日は買い増しを見送りました。明日以降も一段と下げたところで買いを入れるか、明日も仕事をしながらも、日中は株価の動きにも注視する一日になりそうです。

さて、3月4日の日経新聞関西スーパー経営統合を巡る株主総会機関投資家11社が反対したという記事が掲載されていました。以下は日経新聞電子版の記事です。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC029BU0S2A300C2000000/

この統合では、スーパーのオーケーが関西スーパー敵対的買収を試みていましたが、関西スーパー株主総会で3分の2以上の賛成により経営統合が可決されました。けど、かなりの数の機関投資家経営統合に反対したようですね。国内機関投資家の賛否実績については、各社のホームページでの議決権行使結果で開示されています。

前にもブログで何度か書きましたが、機関投資家は議決権行使に当たっては、経済合理性に基づきより合理的に判断するようになっています。理由は至極シンプルで、議決権行使結果を細かく個別開示することになり、結果、アセットオーナーに対して各議案について、賛成又は反対した理由を説明する必要があるからです。

分かり易くいうと、関西スーパー経営統合に賛成するということは、アセットオーナーに対して、オーケーの提示した市場株価より高いTOB価格よりも経営統合での関西スーパー株価の向上が期待できることを説明しなければならないということです。今回、関西スーパー経営統合に反対した11社の機関投資家は、オーケーのTOB価格の方が優位と判断したということです。

さて、今年の定時株主総会においては、企業各社は機関投資家の議決権行使基準をしっかりと目を通す必要があります。今年のポイントは政策保有株式の縮減、女性取締役の数、社外取締役比率あたりでしょうか。買収防衛策議案は社外取締役比率が過半数でないと賛成は困難と見てよいかと思います。また、株主提案の関係では、ESG関連の株主提案に注意する必要があります。株主提案に対して明確な賛成基準を設定している機関投資家は少ないですが、野村アセットマネジメント他数社あります。