本日は連休最終日ですが、昨日、「SDGsの先へ ステークホルダー資本主義 (インターナショナル新書)」という本を読みました。「経済は全てを癒す」という私有財産制の在り方に疑問を投げかけ、最近のESGの動きについて20年前の動きから整理してポイントが書いてあります。ESGの動きは今に始まったことではなく、不可逆という動きがあらためて考えさせられる良書です。「自然資本」等の新しい用語を知りました。新書ですので、薄いので関心のある方は一度書店で手にとられることをお薦めします。
本日の日経新聞に「売れば完了、庭先だけ脱炭素」という次の記事がありました。
記事の内容は、上場企業が機関投資家から脱炭素を求められ、関連する事業を売却するも、売却先の多くは非上場企業で環境の開示義務がないので、サプライチェーン全体としてみた場合、脱炭素化が進んでいないのではないかと言う記事です。
脱炭素化はじめESGの開示が義務付けられているのは、上場会社ですので、ひとまず非上場会社に売り飛ばしてESG開示上は良く見せるということですね。20年以上前に連結決算の開示が義務化されていない時に、不採算事業をグループ会社に売り飛ばして単独決算を良く見せていたということと同じようなものですね。
記事によれば、「環境関連のデータ分析を手がける英ネット・ゼロ・トラッカーが脱炭素目標のある米欧日の大手企業を調べたところ、約740社のうちスコープ3で供給網全体を含めていたのは3割強の約250社だった。一部含めている企業を足しても半分程度にとどまった。」ということですね。欧州に比べて米国と日本のスコープ3までの開示企業数は少ないようです。今後、スコープ3までの開示が進むかも知れませんね。