コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

ニッチツ(7021)が買収防衛策の導入を公表 ー 個人株主が16%保有

本日は仕事が休みのため株式ニュース、新聞、株価ウォッチをしています。以前に購入した書籍「千年投資の公理」もまだ読めていないので、本日はさっと読む予定です。

さて、舶用ハッチカバーで高シェアのニッチツ(7021)ですが、植島幹九郎氏という個人株主が10月14日に大量保有報告書を出し、16.27%を保有しているところです。保有目的は「純投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこともありうる」となっています。ニッチツは株式時価総額100億円以下の小型銘柄です。

これを受けてニッチツは、本日、買収防衛策を導入したことのプレスリリースを次のとおり公表しました。

140120211019413475.pdf (shikiho.jp)

次の記載のとおり臨時株主総会に諮るようですね。

当社は、直近での急激な信用取引の増加など当社株式の市場における取引状況や上場会社との協議等を経ずに株式を大量に取得する事例が増加している昨今のわが国の資本市場の状況等を踏まえ、現時点で本プランを導入することが当社の企業価値及び株主共同の利益に資するものと判断いたしました。なお、本プランは、当社取締役会の決議により導入され、本日付けで効力を生じるものですが、後述のとおり、本日付け「臨時株主総会招集に係る基準日設定に関するお知らせ」にて別途開示しているとおり、2021年 12 月下旬頃に開催予定の当社臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)においてその更新を議案としてお諮りさせていただくことを予定しており、本臨時株主総会において上記議案につき、株主の皆様のご承認が得られない場合には、本プランは直ちに廃止されます

富士興産、東京ソワール東京機械製作所新生銀行のケースと同様に、先に取締役会決議で導入して、後日株主意思確認総会で株主の賛同を得る予定のようです。

11月12日が株主総会の基準日です。つまり、この日に議決権を持つ株主が議決権を行使できます。この個人株主の方は今後どうするでしょうか?

買収防衛策など無視して、買い増しを進めて、11月12日まで保有割合を増やして株主総会での否決を求めることになるでしょうか。もし、そうであれば、ニッチツは東京機械と同様に(裁判所の決定はまだ出ていませんが)この個人株主の方の議決権を株主総会での算定前提から外したいところかと思います。

本年12月以降頃から機関投資家とのエンゲージメント(対話)を開始する企業も多いかと思います。特にプライム上場会社は投資家との建設的な対話が求められています最近の事例に鑑みると、事前警告型の買収防衛策導入企業は機関投資家から廃止することが強く求められることは必須かと思います。一方、企業としては、有事導入型の買収防衛策について機関投資家がどう考え、どう判断するかを知る機会とも言えます。

私は証券会社の勤務時代から、かれこれ通算すると10年近く、買収防衛策には関与してきた経験がありますが、10年間で投資家の考えや世の中の動きも大きく変わったなとつくづく感じます。企業の実務ご担当者、投資ファンドの方はじめ買収防衛策で何か気になる点などあれば、いつでも問い合わせ先からご連絡をいただければ、一緒に議論など出来れば嬉しいです。