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東芝が取締役の人事変更を公表 ー 東芝は物言う株主の思うがままです

本日6月13日のブログで議決権行使助言会社が取締役候補者である永井氏、太田氏等に議決権行使の反対推奨をしていることを書きましたが、本日、東芝は次のとおり本年の定時株主総会で取締役人事を変更することを公表しました。

https://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/news/20210613_1.pdf?_ga=2.16867708.432795552.1623502622-1098430215.1623356039

社外取締役監査委員会委員長の太田順司氏と監査委員会委員の山内卓氏を定時株主総会で決議する取締役候補者から外すようです。今月25日の定時株主総会終結時で退任します。プレスリリースによれば、先日公表された調査報告書の内容については、真因、真相の究明を行い責任の所在を明確化するようですね。今後、何らかの回答が出るようですが、先日公表の報告書は、裁判所の選定した公正な検査役である弁護士が調査した報告書ですので、普通に考えると、報告書の内容は正しいということになるのだろうと私は思います。アクティビストが起用した弁護士が作成した報告書ではないのですから。

しかし、東芝は混迷していますね、国内外の物言う株主であるアクティビストの思うがままです。アクティビストは、今後、どういう方策をとるのでしょうか?

私の勝手な想像ですが、東芝の経営陣に人材を送り込むことを画策しているかも知れません。または、東芝企業価値が低下した段階でどこかの外資企業との提携を画策し、その際に保有する東芝株を売却しキャピタルゲインを得ることを画策しているのかも知れません。経済産業省東芝の件では問題のある行動をとったということで批判されているのですから、外資東芝買収となった場合、どこまで外資規制が使えるのか分からない状況になってきました。政府が外資規制で「待った!」をかけ救済すると海外からも大きな批判が出ると思います。

ところで東芝の一連の動きを見ると、上場企業各社の経営層はアクティビスト対応を真剣に考える必要があるなとつくづく感じます物言う株主であるアクティビストは、コーポレートファイナンスコーポレートガバナンスに精通したプロフェッショナルであり、正直なところ、時価総額数千億円、数百億程度の上場企業の経営層より学歴も格段に高く、頭脳明晰なプロ集団と言えます(実際に日本のアクティビストを見ても、東大法学部出身者はじめ超一流大学出身者がとても多いかと思います)。

という現実を念頭に置いて、アクティビスト対応を上場企業各社は準備しないとまずいのだと思います。東大、一橋はじめ一流大学出身のエリート人材が豊富な東芝でさえ、アクティビストに狙われこんな状況になっているのです。東芝のような優秀な人材など揃っていないであろう多くの上場企業は、コーポレートガバナンスはじめ資本市場の動き、アクティビストに狙われた他社事例をしっかりと勉強して、自社に課題はないか、もし課題がある場合には対応策を検討し、経営トップと目線合わせをしておく必要があるのだと私は思います。同業他社にアクティビストが狙われて、あたふたするのでは遅いかと思います。