中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

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旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが大豊建設株(1822)を買増し ー ゼネコンは2020年度は政策保有株式の縮減は進んだのでしょうか?

本日は1週間に1回のテレワークの日ですので、インプットに時間を使うために昨日気合を入れて大量の資料を自宅に持ち帰りましたが、結果、鞄が重すぎて、少し腰を痛めてしまいました。今後は資料はコピーして予め少しずつ自宅に置いておく必要があるなと感じるとともに、週末は文具店に行き、ファイルを揃えるなど自宅のオフィス化を進めようと思った次第です。

さて、本日の日経新聞に旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンスが大豊建設株を30.08%まで買増したことが書かれていました。4月22日付の変更報告書が出されており、保有目的に「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」となっています。

大豊建設の直近の四半期決算短信を見ますと、現金預金240億円、短期借入金91億円、長期借入金32億円、投資有価証券86億円となっています。同社の2019年度の有価証券報告書を見ると、政策保有株式として上場株式を20銘柄保有し、バランスシート計上額が48億円となっています。

ゼネコン各社は、村上ファンドが次々と買増しています。政策保有株式を大量に抱えるなどの古い体質が狙われる要因だと思います。昨年11月頃に2019年度のゼネコン各社の有価証券報告書から政策保有株式について調べ、次のとおり記事を書いたことがあります。

結果として、コーポレートガバナンス・コードで政策保有株式の縮減が求められている中にあって、2018年度から縮減を進めているゼネコンも多いのですが、依然として保有する銘柄の絶対数はかなり多いということになっています。

2020年度は各社どうなっているでしょうか。物言う株主からの水面下での指摘を受けて解消が進んでいるのだと思いますが(日経平均株価も上昇しており2020年度は売却の絶好のタイミングかと)、6月下旬に各社の有価証券報告書が開示され次第、ゼネコン各社の政策保有株式の過去3年の数値についてアップデートしたいと思います。