コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する実務ニュース

コーポレートガバナンス、M&A、企業価値、IR等の新聞記事について、投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

東芝買収の動きを分かりやすく解説します(第5回) ー 東芝買収合戦。コア業種とは?

私は、株式投資においては投資信託は一切やらず、特定銘柄の分析による個別投資専門なのですが、昨夜はフィデリティ投信の世界割安成長株投信が公表している運用レポートから組み入れられている日本株の精査をしました。この投信は、愛称が「テンバガーハンター」で、米国の著名ファンドマネジャーのピーター・リンチの流れをくむものです。私が前から集中投資をしているある銘柄もこの投信に組み入れられていることを昨夜調べる中でたまたま知り、他の銘柄を見ると色々と興味深いことが分かりましたので、機会あればブログでも紹介したいと思います。

さて、昨日の日経新聞の1面に「東芝 買収合戦の様相」との記事があり、CVCキャピタルは米べインキャピタルと連合を組み、また、この連合とは別にKKR(コールバーグクラビスロバーツ)も買収検討を開始しているようで、まさしく買収合戦ですね。

今回の買収は外資勢が絡むと外資規制のコア業種が大きな論点になってきますが、本日は、このコア業種について簡単に説明します。

まずコア業種とは、武器、航空機、宇宙関連、原子力関連、軍事転用可能な汎用品、サイバーセキュリティ関連、一定の電力、ガス、通信、上水道、鉄道業等が該当します。

では、コア業種に該当するとどうなるのでしょうか?

外国投資家がコア業種の企業の株式を1%以上取得する場合、国への事前届出が必要になります。ただし、投資家が一定の基準を遵守する場合には、事前届出が免除され、外国金融機関がコア業種の株式を取得する場合の免除基準は次のとおりで(一般免除基準といいます)、この基準を遵守する限り、1%以上の株式取得において事前届出は不要となります。

  1.  外国投資家自ら又はその密接関係者が役員に就任しない
  2.  指定業種に属する事業の譲渡・廃止(合併、分割等含む)を株主総会に自ら提案しない
  3.  指定業種に属する事業に係る非公開の技術情報にアクセスしない

今回の東芝のケースでは、買収をした外資東芝の経営に関与することになるわけですので、上記の免除基準には該当しないはずですので、よって審査が必要ということになります。外資規制が昨年改正された時、次のとおりブログに3回に分けて分かりやすく記事を書いていますので、ご興味のある方は是非こちらをご覧頂ければと思います。

この外資規制ですが、自民党の甘利氏が日経新聞の取材で、東芝の件が外資に翻弄されてよいのかと疑問を呈しており、外資規制も海外の対応として比較して足りないところがあれば改正の必要もあると話をしているようです。欧米の外資規制と比較すると日本の外資規制はだいぶ緩いので、今後更なる強化という動きになる可能性大と思います。