中長期観点での株式投資テーマについて紹介します。
私が注目している中長期での株式投資テーマの1つに海洋鉱物資源があります。経済産業省の資源・燃料分科会の中で鉱業小委員会というのがあり、ここで鉱物資源についても2014年5月から議論がされており、前から議論状況には注視しているのですが、直近では3月30日に第8回会議が開催されました。事務局資料は次のURLのとおりです。
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shigen_nenryo/kogyo/pdf/008_03_00.pdf
この中で海洋鉱物資源に関する記述があり、「国産海洋鉱物資源開発に向けた取組の更なる推進」として次のとおりです。
- 我が国の領海・排他的経済水域の海底には、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース泥等の海洋鉱物資源の存在が確認されており、将来の国産鉱物資源として活用されることを期待
- 深海に賦存することから、その商業化に向けては、①資源量の把握 ②生産技術の確立 ③開発コストの低減など、様々な課題が存在
- こうした課題を解決すべく、「海洋基本計画」及び「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」に基づき、資源量の把握、生産技術の開発・実証等に取り組んでいるところ。海底熱水鉱床及びコバルトリッチクラストについて、令和4年度にこれまでの成果を踏まえ、今後の方針を検討。
海底熱水鉱床とは、海底から噴出する熱水に含まれる金属成分が沈殿してできたもので、コバルトリッチクラフトとは、海山斜面から山頂部の岩盤を皮殻状に覆う、厚さ数cm~10数cmの鉄・マンガン酸化物をいいます。前者は、沖縄、伊豆・小笠原(EEZ)の700~2,000mに、後者は、南鳥島等(EEZ、公海)の800~2,400mに存在するとされています。
また、「サプライチェーン上の政策課題と対応」として、次の記述があります。
我が国領海・EEZ内に確認されている海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、マンガン団塊、レアアース泥等については、現在、既知鉱床の資源量評価や、新規鉱床の発見が進んでいる一方、民間事業者の参入判断に必要な資源量の把握が不十分であることや、海底の多様な鉱床性状に応じた生産技術の開発などが課題。資源量の把握、生産技術の確立等の国産海洋鉱物資源開発に向けた取組を一層推進していく
掘削の技術課題があり、まだ先の長い話になりそうですが、自動車の電動化等でレアアース等の需要が高い中、日本は輸入に頼らざるを得ない状況にあるのが現状ですが、将来的には自前でも調達できるよう政府は取り組みを進めているところかと思います。
海洋鉱物資源の国内調達が可能になった場合、関連銘柄は株価の上昇が期待できるかと思いますので、関連銘柄をスクリーニングし、注視しておくと良いかと思います。