中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

中長期株式投資の銘柄分析:東京個別指導学院(4745)は「買い」

本日は四季報オンラインのデータが2021年2集・春号データに更新されました。四季報オンラインに掲載されている銘柄の分析記事がアップデータされましたので、保有銘柄や気になる銘柄には本日から目を通し始めています。

以前にもブログで記事を書いたことがありますが、学習塾の東京個別指導学院について紹介します。四季報オンラインでは次のとおりとなっています。

【費用増】22年2月期は期初には生徒数戻るうえ、前期からの増加基調続く。受験学年中心のオンライン授業が非受験学年に浸透。年間8出校の計画見直しなら開校費減。ただ、システム刷新に6億円で本復は先に 【オンライン】コロナ下で加速。生徒の通塾負担なく、ライブ授業に上乗せの提案が円滑に。今期は関東でオンラインのみの指導をテスト、実現なら全国が営業圏へ

同社は2月期決算ですが、2020年度の四半期業績は、次のとおりです(単位は百万円)。Q4は2020年度の通期予想から3-11月の9ヵ月の実績を除いた予想値になります。

  • Q1 売上高 2,134(▲43.6%) 営業利益 ▲1,761(  4.4%)
  • Q2 売上高 6,052(+ 0.3%) 営業利益    935(▲26.1%)
  • Q3 売上高 4,769(▲ 0.1%) 営業利益    490(▲30.1%)
  • Q4 売上高 5,745(▲13.8%) 営業利益    596(▲62.8%)

ここで気になるのは、Q3と比較するとQ4の売上の伸び率が20%となっている点です。同社の過去の業績を見ると、Q3と比較したQ4(12-2月期)の売上高増加は+40%程度なのですが、それと比較して今回のQ4の売上が小さいのです。この時期は学習塾に通う生徒は増えるはずですし、東京個別が公表した月末の生徒数は7月から11月までを見ると前年度同月比ではマイナスが続いていますが、マイナス幅は大きく減少しています。つまり回復しているのです。リソー教育のQ4予想値と比較しても東京個別の2020年度通期予想前提でのQ4予想は保守的な気がしています。

なお、同社の2020年度の業績予想値をベースにしたPER(計算式の分母は、特別損益を無視するため、税引後経常利益を使用)は193倍ですが、同社は21年度~23年度の中計経営計画を公表しており、現在の株価ですとこの3年間の予想PERは18倍~25倍となります。同社の過去のPERは30倍台後半ですので、割安と言えるかと思います。

東京個別の中期経営計画はホームページ上にある社長の動画を視聴するのをお薦めします。とても詳しく、ホスピタリティー経営2023を公表しており、今後の戦略・取組み、社長の意気込みが良く分かると思います。また、同社の親会社はベネッセホールディングですので、近い将来、ベネッセホールディングによるTOBでの上場廃止の可能性も期待できます。