中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

アクティビストがゼネコンの株式を買い増し ー ゼネコンはキャッシュリッチ

本日は早朝から諸々の作業をする中でブログを書いていますが、本日の日経新聞に「物言う株主、建設株買い増し」という記事が出ています。

アクティビストが中堅ゼネコンの株式を相次ぎ買い増しているという内容です。ゼネコンはキャッシュを貯め込んでおり株価も低くアクティビストに狙われているということです。

ゼネコンは中長期の成長が期待しにくということもあり、アクティビストは業界再編を狙っているというのだと想像されます。昨年の7月に以下のとおり2018年度のゼネコン各社のキャッシュの度合いをブログで掲載しましたが、その時は各社潤沢なキャッシュを保有していました。総資産に占めるネットキャッシュ(=現預金+政策保有株式-有利子負債)の比率も結構あります。

keieikikaku.hatenablog.com

 その後、2019年度の有価証券報告書をベースにキャッシュ状況のアップデートをしておりませんでしたので、週末に余裕があれば、アップデートしたいと思いますが、2018年度とあまり状況は変わらないのかも知れません。

いずれにせよ、アクティビスは来年の株主総会に向けて色々と提案を練っていると思います。ゼネコンでは戸田建設が買収防衛策を有していますが、アクティビストが20%超の株式を取得する可能性があるのであれば、戸田建設以外のゼネコン各社も、外国人株主比率が高いとなかなか難しいところはありますが、買収防衛策の導入を検討した方がよいのかも知れません(通常、買収防衛策は、市場内外で20%を超える株式の取得が発動のトリガーとなっています)。