中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

書籍紹介「伝説の7大投資家」(角川書店)

本日は簡単ですが、書籍を1冊紹介します。フリーの経済・経営ジャーナリストで桑原晃弥という方の書いた本です。この方は、元業界紙記者の方で、特に知名度が高いわけでもなく、また、投資の世界にいたわけでもない投資の素人の方ですが、著名な米国の投資家7名の経歴や投資スタンスなどをさらっと簡潔に紹介した本になります。

出てくる投資家は、ジェシー・リバモア、ジョージ・ゾロス、ジム・ロジャース、フィリップ・フィッシャー、ピーター・リンチ、ウォーレン・バフェットベンジャミン・グレアムです。いずれの方も、プロの機関投資家であれば誰でも知っている米国の著名投資家ですね。

前述のとおり著者は、投資の素人の方ですので、内容は薄い本ですが、個人投資家の方にとっては、著名なプロの投資家の投資に対する考えや姿勢を広く浅く知るには良い本と思います。ただ、この本は深みは全然ありませんので、各投資家の投資の考えを深く知るには、各人の代表的な著書を読む必要があると思います。

この7名の方の書いた本で有名なところをいくつかあげると、ピーター・リンチの「ピーターリンチの株で勝つ」「ピーターリンチの株式投資の法則」、フィリップ・フィッシャーの「株式投資で普通でない利益を得る」、ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」などでしょうか。

「賢明なる投資家」は株式投資の古典書と言われており、日本の著名な機関投資家の方でも読んでいる方はとても多いと思います。勿論いずれの書籍も米国の株式市場の話であり、日本市場にそのまま当てはまるものでもないと思います。

これらの7名の方たちは皆さん頭脳明晰な方ばかりで(特に理数系に非常に秀でた頭脳の方)、しかも機関投資家として巨額の資金を運用していたので、この本を読んで一般の個人投資家が数十万から数百万円程度のわずかな自己資金で富を築くことはまず無理ですが、いくつか参考になるところはあるかと思います。

私は、ピーター・リンチの「株で勝つ」しか読んだことはありませんが、「億」の資産を築いた個人投資家の方でこれらの書籍を読んでいる方も多いようですので、ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」あたりは、明日からの第2四半期決算分析がひととおり落ち着いたところで、読んでみたいと思います。