コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

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香港のファンドであるオアシスマネジメントが東京ドームの役員解任請求 - プレスリリースのサマリー

海外のアクティビストであるオアシスマネジメントが東京ドーム(9681)に対して取締役3名の解任を目的に臨時株主総会の招集請求を行いました。10月19日に東京ドームがプレスリリースを出していますが、プレスに記載のオアシスの招集理由等のポイントをまとめると次のような内容です。

(以下はプレスリリースのまとめ)

  • オアシスは、当社が東京ドームの好立地を充分に生かせていないとして、当社の業務改善計画を詳述した「より良い東京ドームへ」を公表し、①東京ドームの運営の劇的な改善、②東京ドームホテルの運営改善または外部マネージャーの導入、③顧客体験を向上させるための、東京ドームシティアトラクションズの提携先の模索、④ノンコア資産の整理、⑤企業統治の改善という重要な業務改善項目について具体的なかつ詳細な改善策を提案している
  • しかし、これらの業務改善策を実現するための当社代表取締役社長をはじめとする経営陣らとの建設的な対話が繰り返し拒絶されたこと、オアシスが当該「より良い東京ドームへ」の中で指摘した問題と課題に対応する具体的な工程と計画を当社が策定していないこと、当社が 2020年7 月 20 日付けで公表した「東京ドームでの新たな取り組みについて」における改善策も抜本的な業務改善策というにはほど遠く、オアシスが「より良い東京ドームへ」で提案したような、電子看板システムについての言及があるものの、33年越しの計画となっておりスピード感が欠けていること、コロナ禍の中で営業規模を縮小せざるを得ない状況を寧ろ好機として抜本的な業務改善策を実行し、コロナ後の将来の収益機会を拡大すべきという問題意識を経営陣が持っていないこと、オアシスは当社に対して十分な時間の余裕をもって提案に対する具体的な回答を待ち続けていたが、経営陣から何ら意味のある回答がなされていないことなど、これらの経緯に鑑み、当社の問題は、非効率な経営を続け抜本的な業務改善策をタイムリーに実施できない経営陣と、そのような経営陣を監督すべき義務を果たしていない社外取締役を含む取締役会に起因するとし、現在の経営陣と取締役会に引き続き会社の経営を託することは、当社が本来有する企業価値を著しく毀損する結果を招くことになると考えている
  • そこで、速やかに当社の臨時株主総会の招集を請求し、そのような問題を抱えた前記の取締役 3名の解任を提案
  • 解任対象取締役の 3名のうち、長岡勤氏については、長期に亘り当社の保有資産を有効活用できないまま潜在的企業価値を引き出せなかったことや、オアシスからの業務改革の提案に対して対話を回避してきたことへの責任があることから取締役として不適任であり、森信博氏については、長期に亘る在任期間や当社と出身母体の関係性から独立社外取締役としての適格性に疑問があり、秋山智史氏については、長期に亘る在任期間から交代が必要な時期にあるとオアシスは主張

2020年1月31日の変更報告書を見るとオアシスの東京ドーム株の保有比率は9.61%となっています。また、東京ドームの有価証券報告書で1月31日時点の東京ドームの株主構成を見ると、金融機関(商業銀行+国内機関投資家)が33.54%、個人が29.78%、外国人が29.10%となっており、この数値だけを見ると、海外の投資ファンドによる解任請求に対して、個人や国内機関投資家が賛成にまわる可能性は小さいようにも思います。

しかし、オアシスはプロですので、こういう状況であることを知っての上で提案をしているので、国内機関投資家がオアシスの提案に「反対することを躊躇する」ような合理的な提案を今後公表してくるように想像します。今後、動きがあれば都度ブログで紹介していきたいと思います。