10月4日の日経新聞に「植物肉 普及元年」という見出しの記事がありました。2020年は植物肉が普及する年になるということです。
植物肉は、ビヨンドミートなど海外勢が先行しているようですが、コンサルティング会社のATカーニーの調べによりますと、植物肉を含む代替肉市場は今後15年で大きく成長し、2025年との比較で2040年は食肉市場規模が120兆円から180兆円に拡大する中において、培養肉が+41%、代替肉が+9%、従来の食肉が-3%と予測されています。従来の食肉の比率は2025年に90%であるよころ、2040年には40%まで低下する予測です。コンサルティング会社の予想であり、しかも20年先の予想なので信頼性に乏しいところもあるとは思いますが、色々な媒体を見ても、今後の成長は期待されているようです。
この背景にはESG関係があります。牛のげっぷや排泄物から出る二酸化炭素は温暖化への影響があるとされており、牛の飼育や畜産が気候変動の大きな要因の1つとも言われています。このためESGに関心の高い欧米(特にミレニアム世代)で植物肉等の人口肉の需要が高まっていると言われています。日経新聞でも過去に何度か植物肉を取り上げています。
日本では伊藤ハム、日本ハム、不二製油グループ本社、モスフードあたりが関連銘柄になるのかも知れません。ただし、日本市場でどこまで伸びるかとなると少し疑問があります。欧米人は味覚音痴と言われる一方、日本人は味への要求水準も高いと言われています。以前にも大豆ハンバーガーなどがあったのですが、大きなヒットに結びつかなかった経緯もあります。とすると、植物肉も日本市場でどこまで広がるか、特に欧州ほどESGに関心が高いとも思えないこともあり、不透明なところもあると思います。
日本の食品メーカーは海外市場で植物肉を販売しようとしても、食品は現地の味に合わせるのが難しく、現状においても食品メーカーの海外売上高比率は低いと思いますので、海外市場での植物肉の売上はそれほど期待できないように思います。とすると、日本株に限定した場合、植物肉はそこまで大きな成長にはならないように想像しますが、世界での関心は高まる傾向にあるようですので、引き続きてホットなテーマの1つとして注視はしていきたいと思います。