中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

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フィットネス関連銘柄の今後の見通し- かなり暗いと予測します

1月21日のコロナによる株価下落時点から、今だに株価が下ったままの銘柄を最近調べているのですが(将来の値上がりを見込んでの買いを検討)、その1つにフィットネス業界があります。コロナが世間で問題になった初期段階で、フィットネスクラブでの感染が報道されたこともあり、今だに利用者もあまり戻っておらず、株価も低迷しています。

フィットネス銘柄としては、セントラルスポーツ(4801)、ルネサンス(2378)、RIZAPグループ(2928)、カーブスホールディングス(7085)などがあります。

フィットネスビジネスというサイトにフィットネス業界の市場規模など数値データがありますは、それによれば、次のとおりです。

  • 2018年時点での市場規模は約4,800億円で前年比+4%で
  • 会員数は前年比+11%の514万人で、市場規模は2012年より伸びてきて、過去7年間で最大の伸び
  • 人口に対するフィットネス人口率(=フィットネス参加率)は日本は3%で、米国17%、イギリスの14%に比べるとまだま低いので、伸びる余地あり

以上は2018年の状況ですが、コロナ問題で状況が一変しましたが、今後はどう予測するればよいでしょうか。

今後を考える上で、フィットネスクラブの利用年齢層がポイントになると考え調べたところ、セントラルスポーツのIR資料に同社の利用者の年齢構成がありました。セントラルスポーツは、業界第2位(1位はコナミスポーツ)ですので、この数値が日本のフィットネス人口の年齢層に目安になるかと思います。

セントラルの資料では、20代~30代:11%、40代:16%、50代:20%、60代:19%、70代台以上:23%となっています。高年齢層である50代以上が60%以上を占めます。

高年齢層はコロナでの死亡率が一番高い年齢層と言われていることに鑑みますと、高齢者層が今後フィットネスクラブに戻るのは、数年先になるように思います。コロナになると治癒しても後遺症が出るという報道もあります。

ワクチンが開発されても、後遺症のリスクなどを考えると、皆さん長生きをしたくてフィットネスクラブに通っているのに、命を縮める行動をとることはしないでしょう。しかも、フィットネスに行く高齢者は、カラオケに行って騒ぐ専門学校生などではなく、ホワイトカラー層であったり、一定の良識を持った層が多いので、従来のようなフィットネス様式は回避したいと思うでしょう。

ということで、フィットネス関連銘柄は今後も非常に厳しい業績が続き、単独での生き残りは厳しく、市場の縮小、業界の合従連衡が起こると思います。参入障壁が低いので、その分、バタバタ破綻する会社も多いといったところでしょうか。

その中で、1つ気になる銘柄がありました。総合的なフィットネスクラブではないのですが、筆頭株主、利用年齢層などをを考えると、今後大きく伸びる余地があると考えています。ただし、東京五輪の開催の影響を大きく受ける可能性が大なので、その動向を見て、買いを検討したいと思っています。