中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

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グローバルニッチトップ企業100選が公表ーしかし、選定の母集団はかなり小さいです

先日の日経新聞に「ニッチトップ 発掘熱」という見出しの記事があり、経済産業省が6月末に公表した「2020年版 グローバルニッチトップ企業100選」について触れており、特定の分野で高い技術とシェアを持つニッチトップ企業が株価を上げているということです。

ニッチトップ企業とは、2014年頃に経産省が公表しており、このブログでも1~2年ほど前に詳細を紹介しました。2020年版の選定作業をしているのはたしか東証からの通知で知っていましたが(東証からの上場企業宛ての通知の連絡先が私になっているため)、6月に公表されたことまでは知りませんでしたので、経産省のホームページにアクセスしてみました。

数年前と同じように、個々の市場規模は小さいものの、世界シェアが極めて高い製品を製造している企業を選定しており、企業の規模により異なりますが、市場シェアが特定分野で10%以上または20%以上の企業の113社が選定されています。

日経新聞の記事によれば、前回選定された企業群の株価パフォーマンスは、上昇率は8割高でTOPIXの35%高を大きく上回るということでした。まあこれをどう見るかは人それぞれですが。

今回、113社の企業名がリストアップされていますので、その中から上場銘柄を拾うのも面白いかと思います。2014年にはリストの他に各社の事業紹介の資料も公表されましたが、今回も、後日詳細資料が公表される予定です。

ただ、このグローバルニッチ選定で1つ気をつけるべきことがあります。この選定は経産省が独自に企業を探し出すシステムにはなっておらず、公募により応募のあった企業の中から審査をして選定されています。今回の選定は、249件の応募があり、その中から113社が選定されました。たったの249件の応募が母集団です。

かなり少ないし、そもそも応募企業の半分が選定されているので、いかがなものと思いますが、一方、自主申告とは言え、経産省が審査をしているので特定分野でシェアが高いことは間違いないのでしょうが。応募していないニッチ企業も多数あるわけで、この点に注意する必要はあります。