コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

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外資規制(特にコア業種)を分かりやすく説明します(第2回)

先週は、結局、忙しくてブログの更新が出来ませんでしたが、本日、1週間ぶりにブログを更新し、良く分かる外資規制の第2回目ということで説明します。

まず「コア業種とは何であるか?」について説明いたします。

コア業種とは、武器、航空機、宇宙関連、原子力関連、軍事転用可能な汎用品、サイバーセキュリティ関連、一定の電力、ガス、通信、上水道、鉄道業、石油業等が該当します。これらに該当する事業を営む企業がコア業種の銘柄に該当し、今回の財務省の分類では518社がコア業種に該当しました。

では、コア業種はどのように分類されたのでしょうか? コア業種を選定するに当たって、財務省は全上場企業に調査票を送付しております。その内容は、簡単にひとことでいいますと、上記に関する製品・サービスを提供しているかを調べるもので、それに従い企業が回答した内容などに従い、財務省はコア業種の該否認定をしております。

ただし、新聞報道でもありますように、この認定の作業が若干形式的・事務的に行われ、出前館等がコア業種に入っている、同じような製品を製造していてもコア業種の認定を受けた企業と受けていない企業があるなど、結構適当ではないかという報道もされています。

次に、では、コア業種に該当するとどうなるのでしょうか?

外国投資家がコア業種の企業の株式を1%以上取得する場合には、国への事前届出が必要になります。ただし、外国投資家の別により、投資家が一定の基準を遵守する場合には、事前届出が免除されます。

外国金融機関がコア業種の株式を取得する場合の免除基準は次のとおりで(一般免除基準といいます)、この基準を遵守する限り、1%以上の株式取得において事前届出は不要となります。

  1.  外国投資家自ら又はその密接関係者が役員に就任しない
  2.  指定業種に属する事業の譲渡・廃止(合併、分割等含む)を株主総会に自ら提案しない
  3.  指定業種に属する事業に係る非公開の技術情報にアクセスしない

次に外国事業会社がコア業種の株式を取得する場合は、一般免除基準に加えて、次の上乗せ基準を遵守する場合、10%未満の株式取得は事前届出免除されます(いずれかの基準しか遵守しない場合、1%以上は事前届出)

  1. コア業種に属する事業に関し、取締役会又は重要な意思決定権限を有する委員会に自ら参加しない
  2. コア業種に属する事業に関し、取締役会等に期限を付して回答・行動を求めて書面で提案を行わない

要するに純投資である場合には、これまでどおり事前届出といった煩雑な手続は必要ありませんが、アクティビストのような行動をする場合、外国投資家は事前届出をして国の審査を受けるということになります。

では、「当社はコア業種に認定されたので、海外のアクティビストから狙われなくなった!」と喜ぶことが出来るのでしょうか? 一見するとそう思いがちですが、必ずしもそうではないのです。このあたりを次回説明したいと思います。