コーポレートガバナンス、株式投資、企業価値、IRなどに関する投資家目線での実務ニュース ー 強い意志のある投資を目指して

コーポレートガバナンス、中長期での株式投資、企業分析、企業価値評価、IR等について、新聞記事を中心に投資銀行・東証1部事業会社での実務経験を通じて気づいた観点を踏まえて分かりやすく解説していきます

コロナによる業績不振を受け役員報酬を減らす企業が増加ー今年の株主総会の準備テーマの1つ

4月21日の日本経済新聞に日米の企業で役員報酬を減らす動きが出ているという記事がありました。130社が削減を表明したようで、日本ではサービス業と小売業が多く、全体の半数が振興市場の企業ということです。

サービス業や小売業は、訪日外国人数が激減する中、業績もかなり悪化しており、それに伴い株価も大きく下げています。私は最近投資候補銘柄のスクリーニングで外食や小売銘柄なども見ているのですが、サービス関連銘柄の株価の下げ幅はとても大きいと実感しています(従い、株価低迷の今の時期にガンガン買いたいのですが、一方、小売などは営業利益率も低く、財務基盤も弱く(ネットデットが大きい)、今後も訪日外国人のV字回復はまずないと思いますので、株価回復が読めないので買うのに躊躇しています)。

コロナという全くの不可抗力を要因とする業績悪化で経営陣に責任はないのですが、株主には金銭的損害を与えているわけですから、役員も痛みを共有するということが報酬削減の理由かと思います。

コーポレートガバナンス改革の下、役員報酬に占める業績連動報酬の比率を大きくしている企業も多いと思いますので、この業績連動報酬を減らして報酬削減ということになるのだと思います。

株主総会の延期または継続会を検討している企業もとても多いと思いますが、いずれにせよ定時株主総会は開かれますが、今年の株主総会では役員報酬の減額が厳しく問われる可能性が大です。

他社の役員報酬減額の動きをウォッチする必要があります。他社が役員報酬の減額をしていないのであれば、「今回の業績低迷は経営陣の責任ではないので報酬を減らす必要などない」という強気の姿勢がとれますが、他社が報酬の減額をしているのであれば、日本の文化である「右へ倣へ」をして削減を検討するということかと思います。

しかし、武田薬品シャイアー買収でクローバック条項が話題になるなど役員報酬は今後ますます注目される事項ですね。個人投資家の方も投資先銘柄の有価証券報告書役員報酬をじっくり読んで見ると企業と対話をする上で面白いかと思います。