1月31日の日本経済新聞で日本製鉄が国内の鉄鋼生産能力を1割削減するとの記事が1面に大きく掲載されていました。
中国が過去最高のペースで鉄の増産を進めており、世界の鉄鋼需要を生産が大きく上回っていることが削減の理由のようです。
世界の半分を生産するのが中国であり、中国の鉄の過剰生産は以前より言われていることでありますが、興味深いのは、新聞に鉄鋼生産量の世界ランキングが掲載されていました。
2000年当時は、トップ3は上から順に新日本製鉄(今の日本製鉄)、ポスコ(韓国)、アーベット(ルクセンブルク)でしたが、2018年にはアルセロールミタル(ルクセンブルク)、宝武鋼鉄集団(中国)、日本製鉄となっています。日本製鉄の順位は第3位におちています。
また、2018年のトップ10を見ると、中国が6社入っています。世界の生産量に占める中国のシェアは5割となっているようです。中国の粗鉄生産量は2019年は前年比+8.3%増と4年連続で過去最高を更新し、2020年も増産見込みのようです。
鉄鋼の生産過剰は当面解消されないように思えますので、鉄鋼関連銘柄は暫く厳しいかもしれません。いうのを忘れましたが、日本製鉄の子会社である山陽特殊製鋼は1月31日に2019年度業績の下方修正を発表しており、次のとおりで営業赤字です。
- 売上高 当初予想 2,770億円 → 修正後 2,600億円
- 営業利益 当初予想 40億円 → 修正後 ▲19億円
ところで、2018年のランキングでJFEホールディングスは世界で第8位にランキングされていました。同社は2019年に買収防衛策を継続更新していますが、たしかに第8位という順位ですと、海外勢による敵対的買収のリスクもあるといえ、買収防衛策更新の理由も良くわかる気がしました。