中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

オフィス市場の今後の動向-空室率と平均賃料が見るべきポイント

先日、ある銘柄を購入したのですが、この銘柄の業績は日本国内のビルやホテル需要の影響を受けるため、あらためてオフィス市場について少し調べてみました。当面好調という認識でいたのですが、その方向のとおりです。詳細は次のとおりです。

以下は、外部のレポートからの一部抜粋になります。

国内主要都市 オフィス市場の展2019(三井住友信託銀行 調査月報 2019 年4 月号)

  • 主要7都市の空室率は2023 年まで5%を下回る水準で推移すると予想
  •  従来の予想では、大量供給が続く東京は2020 年に空室率が5%を超えると予想していたが、予想を上回る需要の増加を受け、今後の需要見通しを上方に見直し。横浜は2020 年の大型ビルの供給に加え、同じ年に「横浜市役所新庁舎」が竣工するため、供給増加と市役所関連テナントの退去による空室増加が重なり、空室率が上昇すると予想していたが、大型ビルのテナントが早期に決まったことで大幅な需給悪化の懸念は薄らいだ
  •  今後も高水準の企業収益が続くという前提のもとでは、主要都市のオフィス市場は堅調に推移する見通しとなる。当調査部の見通しには景気減速を織り込んでいるが、働き方の多様化が進むことで、コワーキングスペース事業者の新たなオフィス需要は今後も拡大する可能性が高く、少子高齢化という流れの中では、企業の人手不足感は緩和せず、人材確保を目的とした中心部の高品質なオフィスへの移転需要も継続するとみている。

 東京23区の大規模オフィスビル市場動向調査2019

  • 東京23区の大規模オフィスビルの供給量は2020年と2023年が高水準となるが、2021年と2022年は低水準となり、今後5年間の平均は過去平均と同水準となる見込み
  • エリア別にみると都心3区の供給割合は、2020~2023年に毎年7割以上となり、過去平均を上回る。特に供給量増加が顕著な「新橋・虎ノ門エリア」は、大規模開発によってエリア競争力が大きく上昇
  • 「オフィス面積の拡大を予定」する企業の割合は年々増加傾向にあり、45%の企業が「今後ワーカー数が増加する見込み」である
  • 2018年末の空室率は1.9%まで低下し、2000年以来18年ぶりの1%台となった。2019年末は堅調なオフィス需要により2.0%と低水準を維持する見通しである。2020年末は高水準の供給により小幅上昇すると予測

三鬼商事が、最新オフィスビル市況というレポートを毎月出しております。

東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、横浜、福岡の各地域の平均空室率と平均賃料が掲載されています。2019年12月号が最近号で、11月の状況が掲載されていますが、各地域とも2018年11月、2019年1月と比べると平均空室率は低下し、平均賃料が上昇しています。

国内のオフィスビルの市況をウォッチする材料になると思います。