中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

味の素がROA8%を目指す

昨日の日本経済新聞で味の素が2023年3月期にROA8%を目指すとの記事がありました。

事業毎にROAを精査し、今期を目途に一部事業の廃止・撤退を決定するとのことです。それぞれの事業のROAは7-13%に設定しているようです。

 ROAとは、資産を使って利益を効率良く稼いでいるかを測定する指標です。

ROA=利益÷資産ですが、利益に何を使うかは企業によって異なります。純利益を用いていたり、営業利益+金融収益を用いるなど企業によって異なりますが、味の素は「事業利益」をいう利益を用いているようです。事業利益の定義は、次のとおりと味の素では定めています。

事業利益=売上高-売上原価-販管費-研究開発費+持分法による損益

味の素の2019年3月期の決算短信を見ると、各セセグメント(4つ)の事業利益の記載はありますが、セグメント別の資産の記載はありませんので、事業毎のROAは分かりませんでした。決算説明会資料などに書いているのかも知れませんが。

経済産業省の策定したグループガバナンス・ガイドラインで事業ポートフォリオの見直しが企業に強く求められているところは何度かブログにも書いているところですが、今後、このように指標を細かく開示するを市場からは評価されますが、一方で、細かく公表するほどその達成が問われることになり、上場企業には悩ましいところです。