中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

クニミネ工業(5388)の2020年3月期1Q決算-業績進捗率は売上高22%、純利益19%

7月31日にクニミネ工業(5388)が2020年3月期の1Qの決算発表をしております。次のような内容です。ちなみにクニミネ企業は、PBR1倍以下で政策保有株式が潤沢な中小型銘柄です。

<19年3月期1Qとの対比>

  •  売上高       + 9.5%(3,531百万円)
  •   ベントナイト事業 +10.2%(2,775百万円)
  •   アグリ事業    + 3.4%(  411百万円)
  •   化成品事業    +11.2%(  345百万円)
  •  営業利益      +25.0%(  317百万円)
  •   ベントナイト事業 +20.7%(  444百万円)
  •   アグリ事業    △30百万円
  •   化成品事業    △50.0%(   12百万円)

 ベントナイト事業が好調で全体としては、増収増益でしたが、アグリ・化成品事業は増収減益となっています。

アグリ事業は、売上品目の構成が変化したこと等、化成品事業は前期に新設したクニピア第2工場にかかる減価償却費の増加等により減益となりましたとのことです。化成品事業は減価償却費を足し戻したEBITDAで見る必要がありそうですが、決算短信上は数値は出ていません。

次に2020年3月期の通期業績見通しですが、売上高は前年比 +9.0%、営業利益は+2.8%です。

通期予想が妥当かどうかは、第1四半期業績の業績見通しに対する進捗率を見ることも1つ有用です。

  • 売上高の業績進捗率  22%(=3,531百万円÷15,705百万円)
  • 営業利益の業績進捗率 18%(=  317百万円÷1,789百万円)
  • 純利益の業績進捗率  19%(=258百万円÷1,391百まねん)

なお、私はエクセル資料にクニミネ工業の過去5年の財務情報を纏めているのですが、その内容は、次のとおりです。

              17.3月期     18年3月期   19年3月期

  • 株主資本比率 (%)     80.3%          82.3%         83.0%
  • 流動比率(%)       610.1%            705.3%      677.9%
  • 手許流動性            6.9          7.7         7.0
  • Net cash/総資産比率(%)40.4%               42.4%            38.4%
  •  EV               1,860               6,587            3,673
  •  EV/EBITDA倍率       0.8                     2.7         1.5

 手元流動性、ネットキャッシュには、投資有価証券を含めております。中堅クラスのアクティビストが狙うに十分な材料を持っている会社かと思います。