2019年6月の定時株主総会で住友金属鉱山は買収防衛策を株主総会で承認可決しております。
これに先立ち、同社の定時株主総会の買収防衛策議案に対して、ISSは2019年5月28日に反対推奨をしており、これに対して、住友金属鉱山は、翌日の5月29日に「株主の皆様」宛にISSの反対推奨に対する反論を公表していますが、本日は、これについて説明します。
まずISSの反対理由ですが、買収防衛策の総継続期間が「3年を超過するため」反対推奨しています。
ISSは、議決権行使ポリシーで、新規導入から3年を超える買収防衛策は反対としています。導入企業のほとんどは有効期間3年を設定していますので、要するに継続更新は認めないということをISSは言っているわけです。
これに対して、住友金属鉱山は「3年を問題にする意味がない」として反論しています。箇条書きでその理由をあげますと、次のような論理構成です。
- 日本の金融商品取引法では、敵対的買収に対して株主が適否を判断する時間と情報が必ずしも確保されていない。これを確保するために更新の提案をしている
- 特に、金属資源事業は、長期的かつ安定的な視点に立ち鉱山操業を行うことで資源の最大化を図ることが求められるため、株主にその視点での情報を十分に発信する必要がある
- このことは、買収防衛策の導入から3年間が経過しても変わるものではない。 買収防衛策の総継続期間を問題にする必要はない
ISSは、反論に対して再反論したり、訂正することはしません。住友金属鉱山は、2019年3月末で外国人株主が31.6%ですが、買収防衛策議案の賛成率が60.5%でした。高い賛成率と思います。
住友金属鉱山の反論を踏まえて、賛成票を投じた国内外の機関投資家もあったのだろうと想像します。買収防衛策を来年以降に更新する企業には1つ参考になる材料かと思います。
次回は、私の投資銘柄の決算についてこまめに発信していきます。