昨日の日経新聞に日経・一橋大イノベーション指数による企業評価ランキングが大きく2面にわたって掲載されていました。
見た方も多いとは思いますが、この指数は個人投資家が投資先企業を選別する際の1つの考えとしても使えるのではと思い、これについて本日は説明します。
この指数は、日本経済新聞社と一橋大学が共同で開発したもので、世界の上場企業のうち、時価総額の大きい国内168社、海外148社の2017年度のデータを分析して、規模と成長力の両面から評価し、ランキングしたものです。
一橋イノベーション研究センタ長の青島矢一氏という方が開発を主導したようで、同氏は、一橋大学を卒業され、その後、マサチューセッツ工科大学を卒業されているようです。
さて、肝心のこの指数の評価項目ですが、組織力、価値創出力、潜在力の3つの見出しの下で全部で18項目ありますが、その中で私が株式投資という観点からポイントと思われる項目に限定していくかあげます。
<組織力>
外部取締役の割合、取締役の平均年齢
<価値創出力>
時価総額の5年増加率、営業利益の5年増加率、営業利益率及び5年増加率
<潜在力>
研究開発費及び5年増加率、販管費及び5年増加率、設備投資額及び5年増加率
私がポイントに思ったのは、上の項目です。
他に女性取締役の割合なども指数にはあります。しかし、女性の役員数と会社業績の間の因果関係が私は理解できておらず、そもそも40代後半から50代前半でフルタイムで働いている日本企業のサラリーウーマンの母集団が極めて小さい中で、あえて女性を役員に昇格させるということは、リソースに一定程度の余裕のある企業しか出来ませんので、私が投資する中小型銘柄企業では、こういうところにリソースを割いていない企業が圧倒的多数かと思いますので、指数の重要度はないと判断しました。
株式投資のポイントは、投資先企業が、①高い営業利益率を維持できていること(高付加価値の製品・サービスの提供)②特定の分野で圧倒的シェアを持つこと ③安定したキャッシュフローが創出できることであると私は思います。
この観点の基準に全て関係するのが、上記の項目かと思います。
もっとも当たり前ですが、株価は、その時々の市場テーマ、株式市場の動きや、4半期毎に開示される業績で大きく動くものです。しかし、中長期的な観点からの投資となると、これらの観点が必須になるように私は思っています。
なお、上の項目の中で販管費がありますが、3月22日の日本経済新聞で、日興アセットマネジメントの調べということで、労働分配率の上位企業の株価は、下位企業を年平均で4%上回るということが書かれていました。