先週、日本経済新聞に「親子上場に統治指針」との小さい記事が掲載されていました。
未来投資会議(第24回)が3月7日に開催され、そのことを言っているかと想像しますが、同会議のアジェンダを見るとモビリティーと上場子会社のコーポレートガバナンスの在り方について討議された模様です。
上場子会社のガバナンスの在り方については、経産省のCGS研究会でも議論されていますが、未来投資会議の資料からポイントになる点を列挙してみたいと思います。
- 上場企業のうち支配株主を有する上場子会社は628社(2018年12月時点)
- 親子上場企業数は約218社
- 日本の親子上場企業数と市場に占める比率は6・1%と高い。ドイツ 2.1%、フランス2.2%、米国0.5%
- 上場子会社を保有する理由
①子会社役員のモチベーション維持・向上のため(54%)
②上場企業であることのステータス、ブランド価値の維持のため(40%)
③子会社で優秀な人材を採用するため(39%)
④子会社の取引先の信用確保のためなど(34%)
先日、CGS研究会の第14回の議論は紹介しましたが、これと同じく上場子会社のガ
バナンスに関する議論がされています。
本日のブログのタイトルに関係するのですが、私が興味深かったのは、上場子会社を保有する理由です。子会社を保有する理由で①がトップにあげられていますが、なかなか正直に書かれており、呆れました。50代半ば過ぎの年代のサラリーマン役員のモチベーション維持が上場子会社保有のトップの理由とはなんともなさけない話かと。
反対解釈すると非上場になるとモチベーションが保てないということで、意味は良く分かりませんが、恐らく、俺は「(子会社だけど)上場会社の役員だ」というのが役員として職務を果たすことのモチベーションになるということのようです。
子会社の役員は上場していても、親会社では2ランクほど低い職位に相当する、つまり「子会社の常務取締役は親会社の部長相当」と親会社の社員からは見られているはずなのですが、役員という肩書きがつくとモチベーションがあがるようです。
こんなことが上場子会社を保有する一番の理由ということが資料で出てしまうと、会社の少数株主である機関投資家からは「上場子会社など不要ではないか」とういう意見が益々強まることになる気がします。