中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

是川流投資の三原則 ー 是川銀蔵「相場師一代」より

最後の相場師と言われた是川銀蔵氏の「相場師一代」を読み終わりましたが、とても面白いですね。ファンダメンタル分析を軸にした割安株投資かと思いますが、海外の投資家の書籍は出てくる企業が海外企業であったり、また和訳がイマイチの場合が多く、とても読みにくいのですが、日本人の投資家の書いた本は読みやすいです。

この中で、株式投資で是川氏が編み出した投資の3原則があります。次の3つですね。

鉄則1=銘柄は水面下にある優良なものを選んでじっと待つこと

鉄則2=経済・相場の動きかたは常に目を離さず自分で勉強すること

鉄則3=過大な思惑はせず、手持ちの資金の中で行動すること

鉄則1については、「富士山の登山に例えると、二合目、三合目で買い、じっと待つ」とあります。あらためて、世の中の動向、2年後の経済の動きについて、情報収集をして自分の頭で想像を巡らせ、その上で銘柄選定をするということが投資の基本であるということを再認識しました。今の時代はSNSなど色々と情報収集のツールがありますが、最終的には、集めた情報を自分で整理して、仮設を構築し、それをその事業のプロである投資先企業やその競合企業に質問をして、仮設の検証をするという作業を地道に繰り返すのみですね。

【決算説明会資料の読み方】PBR向上に向けた施策の開示 ー 長期の株価向上のためには自社株買いだけでは効果が小です

上場企業各社の通期決算が本格化してきました。東証からの要請である株価向上に向けた施策についても今回の通期決算のタイミングで開示する企業が多いのかなと思っており、自分の仕事とも大いに関係があるので、本日から日経新聞に掲載された主要企業、特に従前より開示に力を入れている企業の決算説明会資料に目を通す予定です。

そのような中、たまたま東亜建設工業が開示した「PBR向上に向けたアクションプラン」資料を目にしました。

https://pdf.irpocket.com/C1885/bU43/CZZy/c0mE.pdf

施策として、次の3つが掲載されています。「①中期経営計画を着実に遂行することで営業利益を伸ばし、ROE8%以上を持続的に堅持する ②自己株式の取得上限を 70 億円に変更することで 11株当たりの価値を更に向上させる ③情報開示を一層充実させ、体制を整備しながらIR活動を強化する」

PBR=ROE×PERですので、肝はROEを向上させることです。ROEを向上させるには、利益率を向上させること、株主資本を減らす(=適正な水準にする)ことがポイントになります。一方、PERを向上させるには、将来の成長戦略を示して市場の理解を得ることがポイントになります。その点からは、上記開示内容は妥当かなとは思います。

企業のPBR改善を目的としたROE向上施策の開示で注意しなければならないのは、自己株式取得(=自社株買い)の効果は中長期では株価向上には響かない可能性が大ということです。自社株買を発表する企業も最近かなり増えており、発表の前後で株価は一時的に大きく上がりますが、数日から数週間もすると株価は元に戻るケースが多いです。これは自社株買いは所詮は一時の施策だからです。増配をすれば別ですが、自社株買いは、来年実施することまでは企業は約束をしていないわけですので。

となると、やはり一番大事なのは、利益率をどう向上させて行くかの具体的な戦略を資本市場に示すことです。そして、IR活動やSR活動を充実させ、投資家への理解の浸透を図ることです。中期経営計画で営業利益率の向上を示す企業は非常に多いのですが、単に示すだけでは駄目です。①中期経営計画を達成するための具体的な戦略・施策の内容、②具体的戦略・施策の現状の進捗の2点を示すことが大事になります。個人投資家・株主の方も投資先企業に対して、この点を質問してみるととよいかと思います。

中小型株銘柄の探索ツール ー ニッポン中小型株ファンドの運用報告書

2022年度の通期決算が5月上旬から本格化します。私も投資先銘柄の過去決算の整理を今週末あたりからそろそろ開始する予定ですが(とは言え、集中投資をしているので銘柄数は多くないのですが)、今回の通期決算の大きなポイントは、PBR1倍割れ企業の株価向上施策ですね。

ブログでも何度か書いているように東証が株価意識をプライム・スタンダード企業に求めているところですが、対策、つまり資本収益性(ROE)と市場評価(PER)に関する計画の策定と開示が求められています。なるべく早く開示するよう言っているため、恐らく、この通期決算での計画の開示が企業には求められます。私も投資先の中でPBR1倍割れの企業の開示結果を見て、IR部門に色々と質問をする予定です。特に、某銘柄は、ROEが8%以上であるものの、PBR1倍割れが続いているため、成長戦略の開示に問題があると言えますので、今回の通期決算では成長戦略についてどういう開示をするのか関心を持っています。

ところで、先日、三井住友DSが運用するニッポン中小型ファンドの2022年度の運用報告書が開示されました。

https://www.smd-am.co.jp/fund/pdf/1849_20230202z.pdf

このファンドは中小型株を組み入れ銘柄としたファンドですが、中小型株の探索ツールとして重宝しています。この1年間で株数を増やした銘柄を見て、その企業のPBRなどを見ると今後の投資のヒントが見つかるかも知れません。2021年度、2022年度の運用報告書を並べて、銘柄の増減などをエクセルで纏める予定です。

中長期株式投資の観点からの有価証券報告書の読み方

本日は、個人投資家の中長期でのファンダメンタル投資関連の情報を1つ紹介します。約3年前の金融庁の金融審議会の資料になりますが、みさき投資の説明資料「長期投資家の視点から見た有価証券報告書」になります。

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/disclose_wg/siryou/20180123/08.pdf

中長期投資の観点からの有価証券報告書(以下「有報」といいます)の読み方が記載されています。有報で重点的に読むべき箇所がいくつか紹介されています。もっとも、資料だけだと分かりにくい点もあるので、議事録も一緒に読んだ方がよいと思います。議事録は次のとおりです。

金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」(第2回) 議事録:金融庁

個人投資家の方で有報を読まれている方はどの程度いらっしゃいますでしょうか?恐らくかなり少ないのではないでしょうか? 知ってはいるけども長い文章ですから、気が進まないという方も多いでしょう。

けど、中長期での株式投資において有報は結構重要です。

重要な財務情報は決算短信と決算説明会資料で足ると思いますが(特に決算説明会資料は最近充実している企業が負多いです。もっとも企業が自社に都合の悪いことはあまり書いてはいませんので注意も必要ですが)、数値以外の記述情報が有報ではしっかりと書かれており、これが投資家が読むべき箇所です。

株式投資をするに当たって、企業のことを知るために読むという使い方がありますが、それよりも重要なのが、投資をした後にその企業の有報の記述情報の変化点を見るという使い方が重要かなと個人的には思います。

そして、読んだ後に、疑問的は投資先企業のIR部門に何ら遠慮なく、どんどん質問することが大事です。もっとも形式的な記載しかしていない企業も結構多いのも事実ですので、その場合には、個人投資家が改善を促していくということも必要になるのかも知れませんね。

中小型の割安株投資の銘柄選定のツール

割安株を探す時に四季報のスクリーニング機能を使う方も多いと思いますが、銘柄数が膨大に出ることも多く、気が滅入ることも多いと思います。1社ずつ決算資料を読むのも結構大変ですし。そのような場合には、ファンドの運用銘柄を参考にするという方法が良いかなと思っています。

中小型株のファンドマネジャーの苦瓜さんが運用されているファンドにニッポン中小型ファンドがありますが、以下は昨年12月30日のマンスリーレポートになります。

https://www.smd-am.co.jp/fund/pdf/1849m.pdf

4ページ目に組み入れ上位銘柄が記載されており、個人投資家の方の割安株投資の参考になるかと思います。ファドマネジャーコメントの一部抜粋になりますが、以下のコメントがあります。

ここ数年間の値動きを⾒ると、⽇本の中⼩型割安株は他の株式と比べ⼤きく出遅れており、きわめて割安な⽔準に放置されています。業績も堅調な企業がまだ多く、今後投資家に⾒直される機会は豊富に存在すると考えています。当ファンドでは、今後も割安株投資を徹底します

組入全銘柄は運用報告書に記載されています。過去数年分を見るとその1年間の組入銘柄数の増減、新規組入れ銘柄数などが分かります。昨年2月公表のものは次のとおりです。

https://www.smd-am.co.jp/fund/pdf/1849_20220202z.pdf

新規に組入れた銘柄、株数が増えた銘柄などを私はノートにメモして、決算説明会資料、有価証券報告書を見て分析したりしていますが、恐らく来月下旬にはアップデート版が公表されるのだと思いますので、公表され次第、銘柄をチェックする予定です。

【株式投資】個人投資家の方は投資先企業の2023年3月期の業績予想の想定為替レートに注目しましょう

私は今年はウォーキングを日課とする目標を立て、本日から毎日1時間のウォーキングを開始しました。とは言え、平日はさすがに1時間は難しいので、帰宅の際に2つほど前の駅で降りて歩くなどして、少しでもウォーキングの時間を確保したいと思っています。人生100年時代を楽しく、有意義に過ごすには、何よりも自身と家族の健康が大前提かと思いますので(健康であれば何とかなる!)、無理のない範囲で自身の健康な体を維持するための取り組みをこの1年の目標としました。

さて、本日は株式投資の関係で為替レートについてごく簡単なお話をしたいと思います。1月5日の日経新聞の朝刊で次の記事がありました。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC0426J0U3A100C2000000/

これによれば、主要企業の2023年3月期の想定為替レートは130円台~140円台が多いということです。企業の決算説明会資料や決算短信を読んでいれば「まあこんなもんだろうな」と思う方は多いと思います。特に、上場企業に勤務して経理やIRに関与している方なら、百も承知のことかと思います。

年明けから円高が進んでいますが、円高は輸出型企業には収益にマイナス効果となりますね。一方、内需型企業(輸入型企業)の場合はどうでしょうか? 円高は利益の押上げというプラス効果になりますよね。

上場企業各社は2023年3月期決算の業績予想を公表していますが、この際に為替レートをいくらで設定しているかの情報が投資家には重要になります。円高が進むことで業績にプラス又はマイナスのいずれかの影響が出てきますので。個人投資家の方は、投資先企業の決算短信、決算説明会資料を見て業績予想の前提となる為替レートを把握することが大事です。決算説明会資料などを見ると、「為替影響▲XX億円(140円)」といったように予想の前提を記載している企業が多いかと思います。

ある中小型銘柄は、原材料を輸入している内需型企業ですが、為替レートを1ドル139円で業績予想を設定しています。このまま円高が進み、139円を大きく下回る場合には、業績が上振れする可能性が大ということになります。であれば「買い」ということになるかと思います。「そんなことは知っているよ」という個人投資家の方も多いかも知れませんが、もし、ご存じでない方がいれば投資先企業の決算レートをしっかりと確認することをお薦めします。

【株式投資】自動車の生産台数 ー 東南アジアの動向を注視

本日は、前回のブログの続きとして、株主提案の第3回目を書く予定でしたが、まだ文章を作成中のため、本日は別のネタの記事を1つ書きたいと思います。

週明けから投資先銘柄をはじめ、企業各社の2Q決算発表が続きます。仕事の関係では、工作機械、半導体関係、自動車や自動車部品関係を中心とした銘柄の決算に注視する予定ですが、本日の日経新聞に次の記事が掲載されていました。

車の世界生産、日本8社46%増: 日本経済新聞

日本のカーメーカーの国内・海外の生産台数が回復傾向が続くという内容の記事です。マークラインズなどが月次の各国の生産台数を公表しているかと思います。有料ですが。私はマークラインなどデータも定期的に見ているのですが、やはり東南アジアの自動車の生産台数は対前年比で4月以降は伸びていますね。東南アジアで自動車生産台数で大きいのは、タイ、インドネシア、マレーシアです。勿論、絶対数では日本、中国、米国、ドイツよりだいぶ少ないですが。

EUでは2035年にはガソリン車などの内燃車の販売が事実上禁止され、ハイブリッド車も販売できなくなる予定かと思います。となるとEV化にはまだ時間がかかると思われる東南アジアでのガソリン車、ハイブリッド車の日本のカーメーカの台数増に期待したいところです。そのためには、タイ、インドネシア、マレーシアの今後のGDP、人口の伸び率なども注視する必要があるかなと思っています(欧州での生産、欧州への輸出の減少分を全て東南アジア分で補うことは難しいとは思いますが)。

このあたりは、たしかジェトロのビジネス短信などが細かいデータを掲載していたような気がします。ということで、ブログには書きませんが、明日はこのあたりの情報収集をする予定です。

【株式投資】久しぶりに訪日外国人数を確認しました

本日は久しぶりに訪日外国人の数のデータを確認しました。最近、通勤途中で山手線内で外国人を時々見かけるようになり、外国人の数がどの程度増えているのかと少し気になり調べてみました。訪日外国人と言えば、日本観光局がデータを公表していますね。

https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/20220921_monthly.pdf

22年8月が直近の数値ですが、訪⽇外客数は169,800人と5ヵ月連続で10万人を上回ったようですね。けど、コロナ前の2019年8月の数値は2,520,134人ですので、コロナ前との比較では低迷したままですね。訪日外国人が大きく増えないのは、日本での半強制的なマスクのせいだと思います。多くの方もそう考えているかと思います。

休日に外を歩いていてもマスクを着けている人がかなり多いのですが、空気感染をしないのに、かつ人と触れ合う距離でもないのに、何故に未だに日本人はマスクを着けているのでしょうかね?人の目を人一倍気にする、横並び意識強い日本人の特徴ですね。

100年後の日本の小中学生の社会の教科書には、「海外と比べて、コロナ感染者が圧倒的に日本では少ないのに、人々は人の目を気にして、外を出た瞬間にマスクを着用して日々を過ごした」ということがマスク着用した写真と一緒に掲載され、それを見た100年後の日本の子供たちは、「100年前は医療知識が乏しかったんだね」として現代の我々は、確実に嘲笑されるのだと思います。

本来であれば円安なので、訪日外国人が増えてよいところなので、いい加減にマスク生活とはおさらばした方が、外国人観光客を増やし、日本経済発展のために大事かと。

飲み会では、密集した空間でマスクを外して、大きな声でサラリーマンは会話をしているのに、飲み屋を一歩出た瞬間、いそいそとマスクを着けて道を歩く姿を見ますが、これはどう考えてもおかしいのでは?

【中長期株式投資】投資家「人的資本」見極め ー けど人材投資は昔からやっています

中長期での株式投資の視点として気になる新聞記事を取り上げて行きます。本日の日経新聞の記事になります。

〈人への投資 開示始動〉(下)投資家「人的資本」見極め: 日本経済新聞

最近、機関投資家と会話をすると人的資本への関心も昨年と比べて高まってきているとは感じますが、一方、まだまだ手探りという感も強いです。「企業は人なり」とは昔から言われている言葉であり、企業は人的資本への投資は昔から実施しているところかと思います。

だから、個人的には人的資本の充実など今更何故?と思います。難しく考える必要はなく、20年前に比べて転職に抵抗のない若手が多い今の世の中で、優秀な人材に企業で長きにわたり働いてもらい、企業業績の向上に資するためには、従業員のモチベーションを如何に高める労働環境にしているかということだと多います。

そして、モチベーションを高めるということは、自分の仕事にやりがいを感じることに他なりません。やりがいが高いと企業の業績が高まるというのは至極当然かなと思います。というシンプルなことを考えておけばよいのではないでしょうか。

ところで従業員意識調査で従業員の「働きやすい」という評価が高い企業は、投資先としては注意する必要があるかも知れません。「働きやすい」=「ストレスがない」ということだと思いますが、ストレスのない会社が従業員のモチベーションを高めるということとは違うと思います。

【株式投資】原子力政策に関する政府の検討状況

先日、「決戦 株主総会 LIXIL死闘の8ヵ月」(文藝春秋)という本を買いました。少し前になりますが、LIXILで創業家と雇われ社長が争った内容がドキュメントで書かれており、これが面白いです。まだ途中ですが、コーポレートガバナンス上の問題やお家騒動の経緯などが細かく記載されております。

さて、本日は、簡単な情報を1つ紹介します。

原子力放射性廃棄物関連で日本の原発政策の情報には注視しているところで、数日前の日経新聞にも政府が原発の利用促進に向けて動きだすといった記事がありました。ベースになっているのは、経済産業省総合資源エネルギー調査会原子力小委員会の議論かと思います。直近ですと9月22日に開催されており、資料は次のとおりです。

この会議は、議論の様子も視聴でき、先日2時間かけて聞きました。資料の内容をコンパクトに説明してあり、また委員からの意見も出ていますので、資料を一から読むよりも先に視聴した方が短時間で理解が進むかも知れません。

【株式投資】自動車生産台数データ の収集

9月16日に四季報データが更新されたこともあり、投資先銘柄の決算情報の整理と各企業の経営環境に係る周辺情報の収集・分析を行っており、その過程で昨日は1社のIR部門にメールで質問しました。

そういえば、投資先銘柄の1つである某銘柄(中小型株)に情報開示のあり方について、ホームページから9月9日にメールで質問をしたのですが、先週は回答がありませんでした。株主の質問の重要性が分かっていないようで、週明けにメールで催促をして、場合によってはIR部門に電話をして「どうなっているの?」と質問する予定です。要は、この銘柄は株主総会の様子などを動画拝見していますが、総会動画などは投資家にとってあまり意味はなく、投資家にとって一番大事な決算説明の動画を配信していないため、今後は「配信を検討してはいかがか?」ということをIR部門に注文したわけです。この銘柄は、検討題材の1社として、諸々開示情報を分析して、コーポレートガバナンス・コードに照らして、少し理論的な提案をしてみたいと思います。

さて、前置きがだいぶ長くなりましたが、久しぶりに株式投資に関連する情報をブログで紹介します。私の投資銘柄の1つに国内の自動車の生産台数の影響を受ける銘柄があり(自動車産業は裾野が広いですね)、自動車生産台数を時々確認するのですが、有用なデータとして以下があります。  https://www.marklines.com/ja/

自動車メーカー、自動車部品メーカー等の自動車関連業界にいる方には、とても有名な会社かと思います。有料データだとより詳細なデータの提供を受けられるのですが、無料の範囲でも一定程度は有用なデータが拾えるかと思います。個人投資家には十分かと思います

また、自工会もデータを公表しています。

JAMA - データベース

これらのデータをもとに、あとは投資先企業に質問をすれば、自分なりに自動車業界の動向が整理できるように思います。大きなマクロレベルの情報は自分で収集して、そこから先の詳しい情報は投資先企業に直接質問をして収集するというのは、中長期投資の鉄則かなと私は考えています。そうすることで、企業側に「この投資家は勉強しているな?あなどれないな」という印象を与えることが出来ます。

また、トヨタ、日産、ホンダはじめ各自動車メーカーもホームページでグローバルでの自動車の生産・販売台数をエクセルで細かく公表していますので、こちらも有用かと思います。

【株式投資】ASEAN主要国での自動車販売台数 ー 電動車の見通し

最近、コーポレートガバナンス関連の記事が続きました。以前は株式投資関連の記事も良く掲載していたのですが、ここ最近は遠ざかっており(自身の株式投資ノートには、ファンダメンタル投資情報を結構細かくメモする習慣は変わりませんが)、久しぶりにファンダメンタル投資情報を書きたいと思います。

欧米が完全に電動車に舵を切っており、今後、10年、15年後にはグローバルに占める電動車の比率はかなり高まることが予想されています。先日、仕事で自動車メーカーの決算分析でトヨタ、日産、ホンダの自動車生産台数を調べる中で、アセアンの自動車販売台数や電動化の予想が気になりましたので(勿論、自分の株式投資の観点からです)、ネットで調べてみました。

まず、アセアン主要国における自動車販売台数ですが、2021年度は約278万台で、トップ3は、インドネシアが89万台、タイが75万台、マレーシアが51万台となっています。次のジェトロのビジネス短信に記載があります。

https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=33888189

インドネシアとタイが2強ですね。

では、この2国における電動化の見通しについてですが、これもジェトロの公表資料等の情報になりますが、インドネシアでは工業省が2019年に自動車産業ロードマップを公表しており、2035年に自動車生産台数400万台を目標とし、うち30%を低炭素排出車(BEV、HBV、PHB等含む)とする予定のようです。

https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/special/2022/0302/9ad103e301baf59d.html

では、次にタイはどうかといいますと、2021年に政府が計画枠組みの議論を開始したようですね。また、ある媒体の情報によりますと、タイ電気自動車政策委員会は2030年の自動車生産台数は250万台で、このうち、EV化は30%の約75万台。この75万台の内訳は、BEVが50%で、PHEV+HEVが50%といった予想を立てているようです。タイ政府やタイ電気自動車政策委員会の公表する生データで確認をしたわけではないので、どこまで正確であるかの保証はできませんが。

いずれにせよ足元のEVの普及率は非常に低く、EV車の価格や充電設備のインフラ整備を考えると、EV化の急拡大は時間がかかるという意見もあるようです。これは、日本総研の方のレポートです。

以上になります。EV化はまだ先の話であり法規制や世の中の動きで急加速する可能性もあるので、実際のところは、今後の動きを注視して変化の有無を注視する必要があるかとは思いますが、現時点での今後の見通しの1つとして私は参考にしています。

2週間に1回は、投資先企業に対するメモノートと周辺情報の整理をしているのですが、整理の都度、新しい情報の発見があるものだなと思います。

当然ですが、これら情報はいずれもネットでの公表情報であり、情報は使ってはじめて価値が増すものです。私の投資先企業である某自動車部品関連企業が今後は東南アジア市場での展開に力を入れるという説明が前にありましたので、上記の情報をもとにIR部門に今後の戦略や見通しについて質問をする予定です。その上で回答に納得がいけば、株価の下がった局面で買い増しです。

株価の割安性を判断する指標 ー PEGレシオ

本日は保有株式銘柄の期末決算と業績予想について、あらためてエクセル表の整理をしていました。FY21の財務状況から各種株式指標の整理などをして、今後の保有の是非の検討です。特に各銘柄ともに定時株主総会が近付いているので、今後の事業運営についての疑問事項を各社のIR部門に問い合わせをすべく分析作業をしました。

本当は株主総会に出たいのですが、仕事を休んでまで参加するわけにも行かず、そのため、保有先のIR部門には「総会で質問することに代えて質問させて頂きます。満足な回答が得られない場合には総会に出席して質問したいと考えているのですが・・」といったことでメールで質問をすると、面倒な株主が総会に来るのを嫌がる会社の総会担当者も多いので、総会に出ずともそこそこ満足できる回答が期待できるように思います。

さて、前置きが長くなりましたが、株式の割安性の指標を1つ紹介します。PEGレシオです。実は名称だけは前から知っていたのですが、あまり良く分かっていませんでしたが、最近、PERの他にこの指標を使用することにしています。

PEGレシオ=予想PER÷利益成長率(又は売上高成長率)です。

1倍を下回ると割安とされています。要するにPER(この場合、計算式の分母は予想EPSです)が高くとも、利益又は売上高の成長率が高いのであれば、必ずしも割高ではないということですね。3年ほど前の日経新聞にも分かり易い記事が次のとおり掲載されていました

スタンダード企業にも積極的なIR活動を期待します

中小型銘柄への投資で一番悩ましいのは、対象企業がIRに積極的ではなく、またアナリストのカバレッジがないという点です。特に、東証1部でありながらスタンダード市場を選択したような企業はIRへの関心が一段と低い企業が多い印象を受けます。

私の某投資先銘柄などは、決算説明会動画は公表しているものの、肝心のスピーカーである社長(この会社はオーナー社長が高齢のため、最近、サラリーマン社長に交代)が資料の記載内容を棒読みするだけのケースもあります。

こうなると、決算説明会に参加していないと細かい情報は得られず、IR活動も消極的なため株価が低いという状況が継続していたりします。理論株価は市場株価より高いといっても、新製品開発等の大きなニュースが公表されない限り、永久に割安株状態が続くということになりかねません。ということで、私の場合、投資先銘柄のIR部門にメールなどで時々質問をしているのですが、先日、ある投資ファンドが興味深い書簡を次のとおり公表していました。

2022年2月22日 – 西本Wismettacホールディングス株式会社への書簡の送付について | Hibiki Investment News

書簡の宛先企業の開示情報は私は見ていませんので、詳細コメントすることはできませんが、一般論としては、この書簡で記載されていることは「多くの中小型銘柄に当てはまるよな」と思います。基本的な内容ではありますが、個人投資家の方は一読されると勉強になるかと思います。

東証1部で、今回、スタンダード市場を選択した企業も多くあります。プライム市場でないから、投資家との対話や開示を粗末にするのではなく、上場している以上は企業価値、つまり株価を向上させるということを強く意識して欲しいと思います。

【株式投資】12月の建設受注 ー 日本建設業連合会

1月27日に12月の建設受注が公表され+7.4%ということです。

https://www.nikkenren.com/news/pdf/newsletter/165/2022_0127.pdf

大事なのは4月からの累計で過去と比較することですが、2018年度と同等の水準で順調というところでしょうか。ゼネコンの3Q決算もそろそろ開示されると思いますので、注視して行きたいと思います。