中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2022-01-01から1年間の記事一覧

本には書かれていない株主提案への実務対応の考え方➀ ー 株主提案って何?

上場企業では株主提案の数がここ数年で大きく増えているかと思います。けど、株主提案って何?という方も多いと思います。会社法などの本を読むとつらつらと文章が書いてありますが、読みにくいですよね。それに会社法の本は法的なことが細かく書かれていま…

政策保有株式の縮減は企業にとって困るのでしょうか?

10月16日の日本経済新聞に政策保有株式に関して次の記事が掲載されていました。 政策保有株の売却2.3兆円、東証再編で最大に 22年3月期: 日本経済新聞 2018年のコーポレートガバナンス・コードの改訂により、上場企業各社では政策保有株式の縮減が進…

社外取締役のメッセージの発信はどういう態様が良いでしょうか?

本日はブログの文字の形態を変えてみました。他の方のブログを見ると、太字に黄色やピンクのハイライトが付されており、見やすいなと前から思っていたので、ネットでやり方を調べて変えてみました。これまでは、強調すべき箇所は太字だけでしたが、太字の箇…

社外取締役からのメッセージを機関投資家は期待しています!

先日、敵対的買収における社外取締役(以下、社外取といいます)の役割について書きましたが、今回も引き続き、社外取について書きたいと思います。 その前に1つ。「ブログの文章をがかたいですね」「専門的な知識がないと難しいところが時々ある」という指…

敵対的買収において社外取締役の持つべき視点

昨日の日経新聞朝刊の社説に「企業は敵対的買収から逃げず価値向上」というタイトルの次の記事が掲載されていました。 [社説]企業は敵対的買収から逃げず価値向上を: 日本経済新聞 最近は敵対的買収の案件が増えており、新聞記事にも書かれているとおり経…

【株式投資】久しぶりに訪日外国人数を確認しました

本日は久しぶりに訪日外国人の数のデータを確認しました。最近、通勤途中で山手線内で外国人を時々見かけるようになり、外国人の数がどの程度増えているのかと少し気になり調べてみました。訪日外国人と言えば、日本観光局がデータを公表していますね。 http…

中小型株の上場企業の企業統治の規律 ー 個人投資家の出番です!

本日は、経済産業省が本年7月19日に公表した改訂CGSガイドラインを読み込みました。多くの企業の来年6月の定時株主総会での株主提案を考え、9月はアクティビスト(物言う株主)が株式を取得する時期かと思います。そして、10月以降は、投資先企業…

来年の株主総会に向けての準備 ー 機関投資家が議決権行使基準の例外扱いをするには?

今週は後半が非常に慌しい1週間でした。前半は暇だったのですが、後半からかなり忙しくなり、あっという間でした。20代の頃に最初の勤務先で商事法務を担当、株主総会事務を3年程度経験したことがありますが、あの当時は4月下旬から6月下旬まで連日、…

来年の株主総会に向けての準備 ー 低ROE企業の経営トップに機関投資家は反対します

多くの上場企業は、来年の株主総会の準備を12月又は年明け頃から開始をするのだと思いますが、本日は来年の総会に向けての準備という視点から機関投資家の議決権行使について記事を書きます。 機関投資家が株主総会で議決権行使をする際、当然ですが議決権…

【中長期株式投資】投資家「人的資本」見極め ー けど人材投資は昔からやっています

中長期での株式投資の視点として気になる新聞記事を取り上げて行きます。本日の日経新聞の記事になります。 〈人への投資 開示始動〉(下)投資家「人的資本」見極め: 日本経済新聞 最近、機関投資家と会話をすると人的資本への関心も昨年と比べて高まってき…

【株式投資】原子力政策に関する政府の検討状況

先日、「決戦 株主総会 LIXIL死闘の8ヵ月」(文藝春秋)という本を買いました。少し前になりますが、LIXILで創業家と雇われ社長が争った内容がドキュメントで書かれており、これが面白いです。まだ途中ですが、コーポレートガバナンス上の問題やお家騒…

事前警告型の買収防衛策を廃止する際のポイント(その2)

前回、9月4日に「その1」の記事を書いてから時間が経ってしまいましたが、本日は続きを書きたいと思います。なお、前回の記事は次のとおりです。 前回、いざという時のために、有事導入型の買収防衛策をきっちりと社内で議論・整理した上で廃止することが…

「中小型株に仕込みの秋」 ー 時価総額1000億円以下の企業は万一に備える必要あります

今週は連日忙しく、ブログの記事の十分な更新ができませんでした。経産省のCGSガイドラインのポイント解説と事前警告型の買収防衛策を廃止する際のポイントの続きの記事を書く予定でしたが、投資先企業のIR部門とのメール交信での質疑応答で時間がとら…

【株式投資】自動車生産台数データ の収集

9月16日に四季報データが更新されたこともあり、投資先銘柄の決算情報の整理と各企業の経営環境に係る周辺情報の収集・分析を行っており、その過程で昨日は1社のIR部門にメールで質問しました。 そういえば、投資先銘柄の1つである某銘柄(中小型株)…

ジャフコグループとシティインデックスイレブンスの攻防 ー シティの保有割合が増加

今週金曜日は四季報秋号の発売ですね。週末は更新された四季報データを読み込む予定です。先週末から仕事がかなり多忙で、週末に買収防衛策を廃止する企業のポイントの記事を書くことができませんでした。今週は平日は纏まった記事を書く時間がないため、あ…

物言う株主(アクティビスト)の武器 ー コーポレートガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)のポイント

昨日は、経済産業省が7月19日に公表したコーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針(CGSガイドライン)について、某オンラインセミナーでの経済産業省の産業組織課長の説明資料と旬刊商事法務に記載の課長補佐クラスの方の解説記事を読みました…

事前警告型の買収防衛策を廃止する際のポイント(その1)

明日月曜日は久しぶりの在宅勤務です。この週末には、CGSガイドラインや伊藤レポートを結局、じっくり読むことができませんでしたので、明日は、これらガイドラインの精読などのインプットに時間を費やす予定です。これに加え人の目がないので、思う存分…

【株式投資】ASEAN主要国での自動車販売台数 ー 電動車の見通し

最近、コーポレートガバナンス関連の記事が続きました。以前は株式投資関連の記事も良く掲載していたのですが、ここ最近は遠ざかっており(自身の株式投資ノートには、ファンダメンタル投資情報を結構細かくメモする習慣は変わりませんが)、久しぶりにファ…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第13回) ー 前回からの続き。企業は何をすればよいか?

前回の第12回で、コーポレートガバナンス・コード(以下「CGコード」)は順守すること(=コンプライ)が必須ではなく、コンプライしない場合には、その理由を説明すること(=エクスプレイン)でもOKなのですが、世の中の多くの上場企業は、何故か「…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第12回) ー 本当にコンプライ出来ているか?

1週間の夏季休暇も明日で終わり、月曜日から仕事に復帰です。火曜日から木曜日まで旅行をしており、旅行中も時間を見て新聞や読書をしようと思いましたが、株価をスマホで確認する程度で終わりました。移動が車であり、そもそも旅先で新聞や読書をするなど…

ジャフコグループが有事型の買収防衛策を導入

本日から今週1週間は夏休み休暇です。明日から外出・旅行等の予定ですが、世の中は動いていますので、①新聞 ②株価 ③ツイッターの3点セットは毎日確認する予定です。ツイッターは気にいった情報があればブックマークを付けて保管し、後で読むことが出来、か…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第11回) ー 中期経営計画が未達の場合に株主は何が言えるか?

今回からコーポレートガバナンス・コード(以下「CGコード」といいます)の第4章「取締役会の責務等」について個別論点の解説に入りたいと思います。CGコードでは、取締役会の役割として企業戦略等の大きな方向性を示すことが求められています。 では、…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第10回) ー 取締役会関係は株主にとって「材料の宝庫」です

先日、三ツ星の有事導入型の買収防衛策に基づく対抗措置の差し止めが最高裁でも認められましたね、つまり投資ファンド側が勝訴したということです。事前警告型の買収防衛策を廃止して有事導入型を検討する企業は、有事導入型がどういう場合に使えるのか、つ…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第9回) ー 非財務情報とは何?

石野雄一氏の「道具としてのファイナンス」をご存じの方は多いかと多います。2005年に出版されたコーポレートファイナンスの実務の基礎について書かれた本ですが、この度、増補改訂版が出るようですね。発売が8月8日のようです。早速、昨夜、アマゾン…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第8回) ー 非財務情報の開示。非財務の意義

これまでコーポレートガバナンス・コードの第1章の「株主の権利・平等性の確保」について、資本政策の基本方針、政策保有株式、買収防衛策、MBOについて個人投資家がアクティビストの視点から投資先企業を分析・提案するポイントを書いてきました。これ…

物言う株主(アクティビスト)の視点からのコーポレートガバナンス・コードの読み方(第7回)(追加) ー 有事導入型買収防衛策に対する個人投資家の判断ポイントは

7月2日に有事導入型買収防衛策(以下、有事導入型と略します)について記事を書きましたが(最後に再掲しています)、本日、読み直したところ、何故か、企業としてどうすべきかという結論で終わっていました。 このシリーズは、個人投資家がコーポレートガ…

政策保有株式の縮減 ー 保有金額が高いと株主総会で経営トップへの反対増のリスク

7月22日の日経新聞に政策保有株式の縮減について、次の記事が掲載されていました。 政策保有株、三菱商事は58銘柄減 資本コストを意識: 日本経済新聞 三菱商事などの総合商社が政策保有株式の縮減を進めているという内容の記事です。ブログでも何度か記事…

個人投資家の中長期投資のための有価証券報告書の読み方 ① ー はじめに

来週から3月期決算の上場企業各社の1Q決算発表が本格化しますね。前にブログで書いたとおり、私は保有銘柄の四半期決算を見た後に、この3ヵ月間のその企業の周辺関連情報を踏まえて、必ず投資先企業のIR部門に疑問的を結構細かく質問をして、株式保有の…

GMOインターネットが買収防衛策のスキームを変更 ー 導入企業は今後スキームの見直しが必要かも知れません

3月期決算企業の1Q決算発表が来週から本格化します。私の場合、四半期決算発表の都度、投資先企業の決算短信と説明会資料を見て、IR部門に中期経営計画の進捗や期末の決算説明会動画での経営トップの発言の進捗を細かく質問をしているのですが、今週から…

機関投資家が企業に求めるROE基準は? ー 個人投資家は投資先企業のROEを見ましょう

本日から3連休です。保有銘柄のこの1週間の関連情報の収集・整理と、久しぶりに伊藤レポート2.0を読み込む予定です。伊藤レポートはコーポレートガバナンスの下敷きとなっていますが、この3連休で知識を整理するため、久しぶりに読み直したいと思います…