中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

富士興産と投資ファンドの攻防 ー 久しぶりの動きです。まだまだ続きそうです

本日は久しぶりに富士興産とアスリードキャピタルの記事を書きます。アスリードキャピタルが富士興産にTOBをしたところ、富士興産が株主総会の承認を得て買収防衛策を発動、東京高裁でその効力が争われましたが、結局富士興産が勝ち、アスリードは8月下…

知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会 (第4回 )

知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会の第4回が9月22日に開催され、事務局説明資料は次のとおりとなります。 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai4/siryou3.pdf 投資家・金融機関の視点とコ…

SBIと新生銀行の攻防(第11回) ー SBIがTOB期間を12月8日まで延長

本日の日経平均株価の終値は前日比ー639円と大きく下げました。本日は保有するパスコ(9232)を売却する予定にしていたのですが、株価がぱっとしないので売却は見送りました。パスコは親会社であるセコムによるTOBを期待して2年ほど保有していた…

SBIと新生銀行の攻防(第10回) ー 新生銀行はSBIの要請に応じず。買収防衛策は「一般株主利益保護プロトコル」

SBIが新生銀行に対して次の4つの項目の遵守を条件にTOB期間の新生銀行の延長要請にこたえる可能性がある旨を先日公表していました。 新生銀行の株主がSBIによる本公開買付けに応募するかを判断する上で重要性の低い追加質問等は行わず、いたずらに…

SBIと新生銀行の攻防(第8回) ー 新株予約権無償割当てに係る発行登録

9月25日号の週刊東洋経済で「ビジネスと人権」の特集記事がありました。人権は昨年の機関投資家とのエンゲージメントで今後のホットな話題になると言われた経緯がありますが、その通りでここ最近、人権への世の中の動きが急速に高まっています。グローバ…

西松建設が自社株をTOB ー 投資ファンドのシティインデックスが応募

西松建設について昨日の記事でシティインデックスイレブンスが25%の株式を取得しており、「幻の議案」が復活するか否かについて記載しましたが、西松建設は昨日、次のとおり自社株のTOBを公表しました。 https://www.nishimatsu.co.jp/assets/upload/i…

シティインデックスイレブンスが西松建設株を買増し ー 西松建設の「幻の議案」は今後復活するか?

シティインデックスイレブンスが西松建設株を買増し、保有割合は25%になっていようです。 シティインデックスイレブンスは、旧村上ファンド系と言われており、芝浦機械や日本アジアグループと買収防衛策の発動を巡り争った投資ファンドです。 西松建設は…

SBIと新生銀行の攻防(第7回) ー SBIがTOB期間延長を拒否との報道

昨日から、ある保有銘柄の買増しを考えて国土強靭化関連の情報収集・整理をしつつ、この3連休は「住友銀行 秘史」という書籍を読んでいます。作者は元住友銀行の取締役であった方で、1990年代後半のイトマン事件を巡って住友銀行の当時の内部の動きにつ…

SBIと新生銀行の攻防(第4回) ー 明日17日に新生銀行は取締役会を開催予定

明日は四季報の秋号の発売日です。四季報オンラインのデータも更新されるので更新され次第、明日と土曜日は銘柄確認の作業をする予定です。 さて、新生銀行ですが、本日、次のとおり公表しています。 https://www.shinseibank.com/corporate/news/pdf/pdf202…

SBIと新生銀行の攻防(第2回) ー 新生銀行は買収防衛策を導入するか?

SBIからTOBを受けている新生銀行ですが、本日の日経新聞で「新生銀、対SBIで買収防衛策を検討 TOB期限の延長狙う」との報道がありました。 新生銀、対SBIで買収防衛策を検討 TOB期限の延長狙う: 日本経済新聞 ホワイトナイトによる対抗TOBや…

知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会 (第3回 )

検討会の第3回が9月8日に開催されました。毎度のことながら事務局資料は次のとおりとなります。 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/tousi_kentokai/dai3/siryou3.pdf この検討会は議事録が公表されないのですが、前回の第2回会議での…

SBIの新生銀行に対するTOB ー 新生銀行の取締役会の賛同は得ておりません

既に大きく新聞報道のとおり、SBIホールディングスによる新生銀行に対するTOBについて、今回から記事を書きます。しかし、最近の国内の事例を見ると、事業会社同士の同意のないTOBや敵意的TOBは本当に増えていますね。 ニトリの島忠の買収(最終…

第2四半期決算短信の読み方 ー 個人投資家のファンダメンタル投資の視点から

最近、アクティビスト、買収防衛策、コーポレートガバナンス関係の記事が続いていますが、本日は話題を大きく変えて、株式投資をする上での決算短信の読み方のポイントを記載します。機関投資家の方にはあまりにも初歩的過ぎることですが、個人投資家の方に…

非財務情報の開示指針の検討 ー 環境、人的資本、知的財産等の開示のあり方

サステナビリティ課題の取組みの開示をはじめ非財務情報の開示について、グローバルでどうすべきか検討が進んでいる状況ですが、環境の開示、人的資本の開示などはじめ日本は遅れている状況にあります。その理由は簡単でグローバルの基準制定が欧米中心に進…

人財ガバナンスの動き ー 経産省「人的資本経営の実現に向けた検討会」

9月4日号の週刊東洋経済で「すごいベンチャー100」という記事が掲載されていました。大型上場予備軍となる可能性もあるかも知れませんので、株式投資のネタとして目を通したいと思います。本日は在宅勤務のため、昨日は沢山の資料のコピーを自宅持ち帰…

知財投資・活用戦略の有効な開示及びガバナンスに関する検討会 (第2回 )ー 知財投資・活用戦略の開示の在り方について 

本日の日経新聞の経済教室に企業統治に求められる視点として、会社法、金融法の大家である東大名誉教授の神田秀樹さんの記事が掲載されていました。プライム市場に求められる事項などが簡潔に纏まっています。 さて、「知財投資・活用戦略の有効な開示及びガ…

オーケーの関西スーパーに対する買収提案 ー 「公正なM&Aの在り方に関する指針」

「公正なM&Aの在り方に関する指針」はご存じでしょうか?2019年6月28日に経済産業省が制定した指針で、MBOや上場子会社の非公開化におけるベストプラクティスを提示したものになります。 https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190628004/201906280…

ディスカウントスーパー、オーケーの関西スーパーへの買収提案

昨日は菅首相が自民党総裁選への出馬を見送ることが公表されましたが、3日の日経平均株価の終値は前日比+584円の大幅高となりました。市場が好感したようですね。 さて、昨日の日経新聞の1面でオーケーが関西地盤の食品スーパーの関西スーパーマーケッ…

政策保有株式に対する事業会社(政策保有株主)の議決権行使結果の開示のすすめ

昨日の日経新聞に「「批判されない」持合い株」というタイトルの記事がありました。 「批判されない」持ち合い株: 日本経済新聞 内容としては、何故持合い株式が嫌われるかの理由と、最近の縮減の動きについてごく基本的なことが書かれています。その中で、…