中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2020-01-01から1年間の記事一覧

サンセイ(6307)と光通信との攻防 - サンセイが追加の必要情報の提供を要請

東証2部上場のサンセイ(6307)の株式を光通信が買い増しをしており、サンセイは、事前警告型の買収防衛策(本年の株主総会で継続更新)のスキームに則り、光通信との間で情報の提供等のやりとりをしていることを以前にブログで掲載しました。 その後、…

9月の世界半導体売上高 - 8ヵ月連続で前年実績を上回る

先日、米半導体工業会(SIA)が9月の世界半導体売上高を公表しましたが、9月は前年同月比+5.8%増の379億円ドルでした。米州、中国、アジア太平洋地域がプラスで、米州が+20.1%、中国が+6.5%となっています。前年実績を上回るのは8ヵ月…

買収防衛策の導入・継続更新に向けて① ー 買収防衛策に関する議決権行使助言会社ISSの議決権行使助言方針

本日も日経平均株価が上昇しました。本日の終値は昨日より+444円の25,349円でした。コロナワクチンの実用化に向けた動きから、将来の景気回復を市場が期待していることが背景かと思います。 さて、昨日のブログで買収防衛策の導入・継続更新につい…

ゼネコンがアクティビストに狙われる理由 - 政策保有株式が1年前に比べてたいして減っていません

本日はゼネコンの政策保有株式の縮減状況について書いてみたいと思います。 次のとおり、少し前にブログでゼネコンがアクティビストに狙われていることを書きました。ゼネコンはキャッシュリッチであるためアクティビストにとって「絶好のカモ」にされている…

ストラテジックキャピタルが京阪神ビルディング(8818)に敵対的TOB - 京阪神ビルの「政策保有株主」は理論武装が必要

昨日、アクティビスト(物言う株主)のストラテジックキャピタルが京阪神ビルディング(8818)に敵対的TOBを開始することを公表しました(本日の日経新聞にも掲載されていました)。TOB価格は1株当たり1,900円、取得株式数は下限・上限ともに…

フィットネスクラブの2社が2020年度第2四半期決算を発表―フィットネス銘柄の株価は今後回復するのか?②

週末に続いてフィットネスクラブの今後の見通しについて書きます。株価が低迷したフィットネスクラブ銘柄の株価回復の可能性を考えるには、フィットネスが流行った理由を整理する必要があります。 テレビ東京での過去のニュース番組などを見ると、流行した理…

フィットネスクラブの2社が2020年度第2四半期決算を発表 ― フィットネス銘柄の株価は今後回復するか?①  

この1週間は仕事が多忙で株式投資の関連銘柄の決算の詳細分析ができませんでしたので、本日は、この1週間でQ2(7-9月期)決算を発表した企業の決算短信、決算説明会資料の分析作業をしています。 ある理由からスポーツクラブ等の総合フィットネスクラ…

社長・CEOの後継者計画は投資家にとって重要です ー 取締役会はきちんと関与しているか

大塚家具が大塚久美子社長が退任することを公表しました。大塚家具は業績低迷のため家電量販店のヤマダホールディングスが資本参加をしていますが、ヤマダの社長が兼務するということです。また、三菱ケミカルホールディングスの社長に外国人が就任すること…

アクティビストがゼネコンの株式を買い増し ー ゼネコンはキャッシュリッチ

本日は早朝から諸々の作業をする中でブログを書いていますが、本日の日経新聞に「物言う株主、建設株買い増し」という記事が出ています。 アクティビストが中堅ゼネコンの株式を相次ぎ買い増しているという内容です。ゼネコンはキャッシュを貯め込んでおり株…

島忠の争奪戦 - 旧村上系ファンドが関与して面白くなってきました

ホームセンターの島忠に対してDCMホールディングがTOBの最中ですが、これに対して、家具大手のニトリが島忠をTOBする意向との報道が先日ありました。この報道に対して、ニトリは10月21日付で「決定した事実はない」旨のプレスリリースを出して…

ISSが2021年の議決権行使助言方針(ポリシー)の改定案を公表

知っている方も多いかも知れませんが、10月14日に議決権行使助言会社のISSが2021年の議決権行使助言方針の改訂案を公表しました。改訂案は本日10月26日までコメント募集期間としてコメントを募集していますが、これまでISSは改訂案を変更…

書籍紹介「伝説の7大投資家」(角川書店)

本日は簡単ですが、書籍を1冊紹介します。フリーの経済・経営ジャーナリストで桑原晃弥という方の書いた本です。この方は、元業界紙記者の方で、特に知名度が高いわけでもなく、また、投資の世界にいたわけでもない投資の素人の方ですが、著名な米国の投資…

昭和電工に買収された日立化成のリストラは今後加速すると思います - 上場子会社のサラリーマンの方は他人事と思ってはいけません

昨日、日立製作所が上場子会社である日立建機の売却に動いているという報道がありました。少し前には同じく上場子会社である日立金属も売却方向に動いているという報道もありました。日立製作所は上場子会社のリストラを加速していますが、本年6月には日立…

主要ゼネコンの2020年度通期予想 - 建設業界の長期見通しは?

ホームセンターのDCMホールディングスの島忠に対するTOB(島忠の取締役会の同意のある友好的TOB)に対して、先日、ニトリも島忠にTOBをする意向がある旨報道がありましたが、今度は、島忠株を旧村上ファンドが数パーセント取得し、島忠に色々と…

クニミネ工業(5388)が2020年度通期業績予想を上方修正

ベントナイトの国内トップ企業であるクニミネ工業(5388)が2020年度の通期業績見通しを本日上方修正しました。 当初通期予想と比較して、売上高は+6.3%(135億円)、営業利益は+131.5%(15億円)、経常利益は+107.2%(16億…

書籍紹介「ピーターリンチの株で勝つ」(ダイヤモンド社) - 株式投資の初心者にお薦め

本日は休みのため自宅で諸々作業をしています。法律上、年間最低の年収取得が企業には義務付けられているようで、私の場合、その期限である10月末までに残り1日休みをとる必要があり、本日はお休みです。 さて、本日は1冊書籍を紹介したいと思います。中…

コーポレートガバナンス・コードの改訂 - 金融庁のフォローアップ会議が本日開催

本日よりコーポレートガバナンス・コード改訂を議論する金融庁のスチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議が開催されることになりました。 本日の資料は、金融庁のホームページで公表されていますが、その中に事務…

香港のファンドであるオアシスマネジメントが東京ドームの役員解任請求 - プレスリリースのサマリー

海外のアクティビストであるオアシスマネジメントが東京ドーム(9681)に対して取締役3名の解任を目的に臨時株主総会の招集請求を行いました。10月19日に東京ドームがプレスリリースを出していますが、プレスに記載のオアシスの招集理由等のポイン…

主なゼネコン各社の2020年度第2四半期決算発表日

各社の決算発表が来週から11月前半にかけて本格化します。私の手帳を先ほど見たところびっしりと40社近い決算発表企業が書き込まれており、気合を入れて来週から決算短信と決算説明会資料を読み込んで行く予定です。 その中で、国土強靭化関連は関心のあ…

物言う株主の要求が過去最多のようです - エリートであるアクティビストと対峙するためには準備あるのみ

10月17日の日経新聞に「『物言う株主』の要求が最多」との記事がありました。アクティビストによる2020年の日本企業への要求や株主提案が現時点で22件となっており、2019年の年間の19件を既に上回っているということです。驚くのは、米国に…

コーポレートガバナンス・コードの改訂に向けた議論が開始されます

本日は空間ディスプレイ関連銘柄の分析に取り組んでいます。乃村工藝社の第2四半期決算説明会の動画が同社のホームページで公開されましたので、それを閲覧したり、丹青社、乃村工藝社、スペースの3社の分析をしたり、来週から買い増しを検討しているある…

エムビーエス(1401)がQ1決算(6-8月期)を公表

10月14日にエムビーエス(1401)がQ1決算を公表しました。同社はスケルトン工法という道路・橋・トンネルといった公共建造物のコンクリートの剥離防止する工法を有しており、2015年に東証マザースに上場した株式時価総額55億円程度の小型株…

光通信による株式の大量買付行為に対してサンセイ(6307)は買収防衛策を発動するか? - 今後の流れを解説します

サンセイ(6307)はビル用ゴンドラ、舞台装置のパイオニア企業ですが(時価総額約40億円)が、大量保有報告書によると光通信(9435)は4月19日時点でサンセイの株を16.47%保有しており、サンセイは買収防衛策を有しているところ、光通信と…

東証上場企業のPER(2020年9月)

PER(株価収益率)は株式時価総額を純利益で割ることで算定することは投資をしている多くの方はご存じかと思います。企業を買収したと仮定した場合、投資金額が利益の何年分で回収できるかを示す指標になります。株式時価総額100億円で純利益10億円…

東京個別指導学院(4745)がQ2(第2四半期)決算を公表

先週からQ2決算発表が始まりましたので、本日は、保有銘柄や今後の投資候補銘柄など各社の決算短信と決算説明会資料について確認し、数値をエクセルに纏めるなどして分析作業をしています。 昨日はベネッセの上場子会社である東京個別指導学院が20年度の…

親子上場の解消が急ピッチで進む ー 改訂コーポレートガバナンス・コードにも盛り込まれるか

10月7日の日経新聞で「親子上場解消 急ピッチ」という見出しの記事がありました。今年度に入り、親子上場の解消(=子会社の売却または完全子会社化)が進み、上場子会社が15社減る見通しということです。 親子上場の解消に伴うMBOはブログでも何度…

「人材版 伊藤レポート」が公表されました - 人材戦略と企業価値向上がフォーカスされています

2020年1月に経産省が「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会」を立ち上げ(座長は一橋大学の伊藤邦雄氏)、検討会が進められてきましたが、9月30日に「人材版伊藤レポート」の名称で報告書(レポート)が公表されました。 https://www.me…

株式投資:日本で植物肉の普及は期待できるか?

10月4日の日経新聞に「植物肉 普及元年」という見出しの記事がありました。2020年は植物肉が普及する年になるということです。 植物肉は、ビヨンドミートなど海外勢が先行しているようですが、コンサルティング会社のATカーニーの調べによりますと…

DCMが島忠へのTOB(株式公開買付)を公表

10月下旬から上場企業各社の四半期決算(7-9月期)の公表が相次ぎますが、本日は、各社の決算発表日の確認作業をしています。 私の場合、この時期は、業務上、四半期毎に自社の競合上場会社(国内と海外(欧州、米国))の決算資料の詳細分析・纏めをす…

株式投資:国土強靭化関連 ー 2021年度予算概算要求より

本日の日経新聞の株価欄は全て「ー」となっており、はじめて見ました。昨日は東証の売買が停止していたので仕方ないですが、本日の紙面欄は記念にとっておこうと思いました。 既に新聞報道のとおり、2021年度予算で各省庁の概算要求が出揃いました。要求…