中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

住友金属鉱山が議決権行使助言会社ISSの反対推奨に対して反論を掲載

2019年6月の定時株主総会で住友金属鉱山は買収防衛策を株主総会で承認可決しております。 これに先立ち、同社の定時株主総会の買収防衛策議案に対して、ISSは2019年5月28日に反対推奨をしており、これに対して、住友金属鉱山は、翌日の5月29…

ユビテック(6662)が2019年6月期の業績予想を下方修正

ユビテック(6662)はカーシェア用車載機器とATM紙幣鑑別センサーが柱の時価総額40億円程度の銘柄です。IoTに注力しており、顔認証というテーマで、かつ低位株のため、将来に期待して4月頃に購入しました。 同社は6月期決算ですが、7月26日…

野村アセットマネジメントの議決権行使結果の個別開示-買収防衛策廃止の株主提案への賛成(共同印刷)

野村アセットマネジメント(以下「野村」)が2019年4月から6月に開催された投資先企業の株主総会の議決権行使結果を開示しています。 買収防衛策継続議案ですが、66件中、賛成は0件です(開示資料上は1件とあります。しかし、これは期中で廃止する…

世界経済の成長率が減速-IMFが2019年の成長率予測を引き下げ

7月24日の日本経済新聞に国際通貨基金(IMF)が7月23日に改定した世界経済見通しで2019年の成長率予測について公表しています。 世界成長率 (従来)3.3% → (今回)3.2%(-0.1%) 下方修正は4期連続となっていおり、3%を切る…

買収防衛策の正当性のより所となる「買収防衛策に関する指針」(経産省・法務省が2005年5月に策定)の内容について

本年6月の定時株主総会も終わり、上場各社の議案賛成率も臨時報告書でひととおり開示されました。各社、コーポレートガバナンス・コードの要請に従い、反対率の高い議案の精査などをされているところかと思います。 買収防衛策議案は本年は昨年以上に廃止し…

M&A減損が世界で拡大-買収金額の高騰

M&Aに絡むのれんの減損損失が拡大との記事が7月19日の日本経済新聞に掲載されています。2018年度は1,550億ドル(約16兆円)と前年度比で66%増とのことです。 のれんとは、超過収益力をいます。例えば、純資産が100億円の会社を150…

香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメント・カンパニーと安藤ハザマの攻防②-オアシスの株主提案の印象

本年6月27日開催の安藤ハザマの定時株主総会においてオアシスが株主提案をしました。内容は次のとおりで、定款第3条に次のように安全衛生管理の徹底の規定を新設することを求めるものです。 (安全衛生管理の徹底) 第3条 当会社においては、「安全はす…

香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメント・カンパニーと安藤ハザマの攻防①-潤沢な政策保有株式の保有

香港の投資ファンドであるアクティビストのオアシス・マネジメント・カンパニーが安藤ハザマの株式を取得していることは先日のブログで紹介しましたが、本日は、オアシスが注目しているであろうと想像する安藤ハザマのコーポレートガバナンス上の課題につい…

半導体の今後の予測は?-SEMIによる2019年の販売見通しは18%減

新聞でも報道されていましたが、半導体製造装置の減速が鮮明のようです。 7月9日に国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が2019年の半導体製造装置の販売額見通しを公表していますが、2019年の半導体装置の販売額は527億ドル(約5兆7千億円)と…

戸田建設と英国の投資ファンドであるシルチェスターの攻防の行方~買収防衛策の発動の可能性

今回は、私も株主である安藤ハザマのコーポレート・ガバナンスの観点からの課題(政策保有株式)を記載する予定でしたが、少し分量が多くなり、文章を作るのに結構時間がかかるので、週末に考えるとして、前回、少し触れたシルチェスターと戸田建設の買収防…

準大手ゼネコン各社のキャッシュの潤沢度合い-アクティビストに狙われる背景

少し前の週刊ダイヤモンドの記事にありましたが、ドメスティック業界の代表格である建設業界にアクティビストが入っています。 英国の投資ファンドであるシルチェスター・インベストメントが戸田建設、前田道路、奥村組に、香港の投資ファンドであるオアシス…

多角化事業を行う上場企業の事業ポートフォリオマネジメントのあり方~経産省「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」より

先日、経産省の「グループ・ガバナンス・システムの実務指針」(ガイドライン)が制定されたことを紹介しました。 今回は、このガイドラインの中で規定されている事業ポートフォリオマネジメントのあり方について紹介したいと思います。 ガイドラインでは、…

上場子会社とその親会社が今後留意すべき事項-経産省の「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」の制定を受けて

経済産業省のCGS研究会(第2期)でこれまで議論が進められてきた「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」が6月28日に策定・公表されました。 2018年のコーポレートガバナンス・コードの改訂は、単体としての在り方に重点が置かれてい…

余剰キャッシュの使途としてM&Aを理由にする場合の投資家の受けとめ方

先週で上場企業各社の株主総会も終わったことと思います。本年の株主総会では、過去に比べてかなりの数の株主提案があったようですが、政策保有株式の売却等による資金の捻出とそれを原資とする配当増提案もあったかと思います。 この動きは来年以降も継続す…