8月6日の日経新聞に「米企業、買収防衛策に走る」という記事がありました。株価低迷の中、敵対的買収に備えて買収防衛策を導入する企業が米国で増加しているという内容です。
米国の買収防衛策は、ポイズンピルという手法で、記事に丁寧にポイズンピルについて解説されていますが、ポイズンピルとは、敵対的買収者だけが行使できない権利を既存株主に予め付与し、買収をしかけられた場合に発動し、買収者の議決権比率を低下させるものです。
日本では、会社法や東証の規則でポイズンピルは認められていませんが、その代わり、買収防衛策として買収者だけが権利行使できない新株予約権の無償割当があります。米国では、1980年代後半以降、シャドーピル型の買収防衛策の導入が増加し、非友好的買収は1件も成立しないという時期が継続していましたが、議決権行使助言会社により、買収防衛策に係る基準が厳格化しました。
そこで、シャドーピル型から、正式な形での買収防衛策の導入が進みました。たしか、数年前に外資系投資銀行の方と米国の買収防衛策について話をしたことがあり、その時、このような内容でした。
米国でも、最近はアクティビストが10%を超えて株式を取得するケースは少なくなっていたのですが、最近の株価低迷を受けて、企業は買収のリスクを感じているようですね。問題は、議決権行使助言会社がどう判断するかですが、記事にもありますが、米国ではISSが買収防衛策の議決権行使基準を緩和しました。その内容は、1年の期間限定であれば、一定の条件を満たせば許容するというものです。
では、日本の場合はどうでしょうか。本年の4月頃に米国で基準を緩和した情報を私は仕事上知り、日本企業に対する基準も同様に変更されるのか注視していましたが、日本基準は今回は変更ありませんでした。今後、日本基準はではどうなるかですが、これは私の推測ですが、米国で株価低迷を背景に議決権行使助言会社が行使基準を緩和しているのであれば、日本でも基準は緩和される方向にあるように思います。
そうであれば、外食、小売り、アパレルなど新型コロナで株価が低迷している上場企業は買収防衛策の導入を是非とも考えた方がよいかと思います。これらの業種は、外資規制のコア業種に入らないところも多いかと思いますので、また外資の買収のリスクはないとしても、コロワイドによる大戸屋の敵対的買収の国内ケースなどを見ると、買収簿防衛策は自社を守る唯一のスキームとして非常に有用は方策になります。
さて、明日から1週間の夏季休暇になります。私の場合、子供が2人おりますが、子供たちは部活であったり、近所の友人と毎日遊ぶようで、コロナの影響で家族旅行は今回はできませんので、自分だけの時間が潤沢にあるので、投資先の株式銘柄の分析、あらたな株式投資銘柄のスクリーニング、しかるべくタイミングでの副業に向けた準備を進める予定です。この休日もなるべく頻繁に更新はしていく予定です。