中長期的な企業価値向上のためのコーポレートガバナンス・アドバイザー / 長期での中小型株の割安株投資情報

最近のコーポレートガバナンスと資本市場の動向を踏まえ、上場企業実務の視点から中長期での企業価値向上に役立つ情報分析・発信をしていきます。個人投資家のコーポレートガバナンス力の向上による「意思のある投資」に役立つ情報発信もしています。また長期での割安株投資の情報も

危機の時こそ投資家への決算数値以外の情報発信が重要ー 星野リゾート代表の日経新聞記事を読んで

本日は外資規制の第3回目について記載する予定でしたが、6月2日の日経新聞星野リゾート代表の星野氏の記事がありましたので、これについて紹介したいと思います(ちなみにブログは平日は朝の5時~6時頃に私はいつも書いています)。外資規制の第3回目は週末に書く予定です。

私は観光関係の銘柄は持っていませんが、コロナウィルスの影響で訪日外国人が激減し、観光関連銘柄は株価低迷している状況かと思います。海外旅行を控える外国人は暫く続くでしょうから、当分は厳しい状況かと思います。

そのような中、星野氏は以前にも何度か新聞記事でコロナを受けての観光業についてコメントを書いていますが、今回の記事でも次のようなことをコメントされています。以下は要約です。

  • コロナワクチンや治療法が確立するのに1年半程度かかると思う。今後は、自粛と緩和を繰り返しながら需要は徐々に戻る。大事なのは1年半後を見越した計画をたてること
  • そうしないと必要以上に焦り、問題を悲観的にとらえることになる
  • 旅の目的は、これからは自粛のストレスや恐怖感からの解放がテーマ
  • 日本の観光市場は約26兆円あるが、そのうちインバウンドによる市場は約2割程度しかない。従い、国内需要を伸ばせば乗り切れる可能性がある
  • 今、観光業界を離れようと思っている人がいるかも知れない。しかし、今は離れずこの危機を経験すべきと考える。この危機を乗り越えた経験は、今後強い自信につながる など

短いですが、なかなか興味深い内容です。特に最後のコメントなどは強い説得感があります。星野氏は、30年この仕事をしており、リーマン・ショック東日本大震災を経験しており、この経験を通じて今回の危機は観光のノウハウを学べるといっています。この記事を読んで、オーナー社長の言葉は重みがあるなとあらためて思いました。

日本電産ファーストリテイリングなどもそうですが、20年、30年と経営トップを努めるオーナー社長の言葉は、経験に裏付けられており、星野氏の言葉を聞くと、国内観光が復活することを見越して株式投資をしたくなります。

私が投資する時価総額500億円以下の銘柄のほとんどがオーナー社長ですが、資本市場との対話を重視していない企業も多く、星野氏のようなコメントを発してくれると安心できるのにと日頃思ったりしています。

危機の状況の時こそ経営トップ(社長に限りません)の声が投資家にとっては大事であり、投資家との対話であるエンゲージメントの機会を積極的に作り、今後の事業の在り方、今後の危機対応の考えなどの非財務情報を語ることが、益々上場企業には大事なことになってくるのだと思います。

さて、週末は外資規制について書きたいと思います。