12月8日の日本経済新聞で割安銘柄が東証1部で37銘柄あるとの記事がありました。自社の株式時価総額がその保有しているグループ会社の株式時価総額より小さいということで、子会社やグループ会社が上場しているケースが多いということのようです。
A社の時価総額が100億円であるが、A社のグループ会社のB社の時価総額が150億円ということです。この場合のリスクですが、投資ファンドなどのアクティビストのターゲットになりやすいかと思います。A社の株式を100億円で取得すれば、時価総額150億円のB社が取得できます。つまり、単純に考えると、100億円のキャッシュアウトがあっても、支配下にあるB社を売却することで150億円のキャッシュインがあり、A社を買収することで50億円のキャッシュが得られます。
キャッシュリッチ(=現預金-有利利子負債がプラス)の企業を買収することと基本的な考えは同じですね。
新聞報道によれば、この37銘柄のうち3割強は地銀とのことです。地銀はマイナス金利政策で業績見通しが厳しく、株価が低迷しています。PBR1倍以下の地銀も多いと思います。
地銀などは地域の優良企業に融資しているケースも多いため、地銀を買収すれば、地銀の融資先の企業の統廃合なども自由に出来るかと思います。もっとも外資投資ファンドが日本の銀行を買収するには、たしか規制があったような気もしますが。
話は変わりますが、上場子会社の在り方については、経産省のCGS研究会(第2期)でも議論されています。経産省の資料を読む限りでは、上場子会社のCEOの選任が親会社の指名委員会の審議対象になっていないのが課題といった点が論点の1つのようです。